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#8確定拠出年金の金融機関が破綻したらどうなるの?

もっと会社を良くするための、確定拠出年金制度の有効な使い方とは!
中小企業経営者様にそのポイントを解説いたします!

現在、確定拠出年金の窓口となっている金融機関は、銀行、証券会社、保険会社など150社以上あります。
もし、金融機関が破綻したら、年金資産(積み立てている退職金)はどうなってしまうのか?というご質問を受けることがあります。
今回は、確定拠出年金に関わる金融機関の種類と、その金融機関が破綻したらどうなるかをお話します。

確定拠出年金に関わる機関は4つ

確定拠出年金では、窓口となる機関のほかにも、複数の機関で業務を分担しています。詳しくは以下のとおりです。

DCしくみ2

1 運営管理機関(窓口)
  運用の方法(運用商品)の選定
  加入者等に対する提示、情報提供
2 記録関連機関
  氏名、住所、積立額等の記録、保存および通知
  加入者等が行った運用指図のとりまとめ
  その内容の資産管理機関への通知
3 資産管理機関
  記録関連機関がとりまとめる加入者等の運用指図に基づき、
  資産の購入・売却等を商品提供機関との間で行う
4 商品提供機関
  運用商品を提供する銀行・証券会社・保険会社等の金融機関

このように確定拠出年金では、いくつもの機関で業務を分担して運営されています。
1運営管理機関、2記録関連機関
年金資産の管理は行いません。
この機関が破綻したとしても年金資産に影響はありません。

3資産管理機関
実際に年金資産を管理する会社です。この資産管理機関である「信託銀行」は、金融機関自体の資産と加入者の年金資産は分別管理されているため、年金資産は全額保全されます。

4商品提供機関
銀行、保険会社といった元本確保型商品の運用会社、元本変動型では投資信託の委託会社のことで、それぞれ破綻した場合の対応が異なります。

運用商品の選択で、補償されている金額が異なる

上記の1・2・3の機関が破綻した場合には、年金資産は保全されますが、4の商品提供機関が破綻した場合には、100%保全されるわけではありません。
選択した商品の種類によって、保全(保護・補償)される金額が変わります。

銀行の定期預金の場合

では運用商品で「銀行の定期預金」を選択している加入者は、その銀行が破綻した場合どうなるのでしょう?

預金保険制度
元本1,000万円とその利息まで保護されます。
ここで注意したいのは、「ひとり、ひとつの銀行で1000万円まで」になります。もし、確定拠出年金で選んだ商品と同じ銀行に口座があった場合、その預金と合算されます。万が一を想定して、確定拠出年金で銀行の定期預金を選んだ場合は、他の預金と別の銀行に資産を分散しておいたほうがいいかもしれません。

保険商品の場合

元本確保型商品のなかに、保険会社の保険商品もラインナップされていることがあります。
もし保険会社が破綻した場合は、元本は補償されません。

生命保険契約者保護制度
責任準備金の90%までが補償されます
責任準備金というのは、保険会社が保険金を支払うために積立を義務付けられている金額になります。
一般的には元本よりも少ない金額になります。

損害保険契約者保護制度
保険金・返戻金の90%まで補償されます。

投資信託の場合

投資信託は、確定拠出年金のしくみと同じように、いくつかの会社が関わって運営されています。
具体的には販売会社・委託会社・受託会社の3社となります。
この場合も確定拠出年金と同様に、金融機関自体の資産と年金資産は分別管理されていますので、全額保全されます。
(元本確保ではないので値動きはします)

このように、将来の大事な退職金を運営する制度ですから、余程のことがなければ資産が無くなるということはありません。
とはいえ退職金は何十年もかけて運用していくものですので、途中、金融機関が破綻する可能性はゼロではありません。
万が一の場合にどうなるのかを知っておくことは必要だと思います。

今回は、確定拠出年金に関わる金融機関が破綻した場合についてお話させていただきました。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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