さかなの1/25
キロさんという人がいる
さかなから見てキロさんという人は
キロさんからの一方的なコミュニケーションばかりで、一緒にいてちっとも心地よさを感じることができない人なのである
キロさんがさかなのことをどう思っているのかは、もちろんさかなにはわからないが
キロさんはよくさかなに会いにくるのである
この日もさかなはキロさんと一緒に公園をお散歩した
さかなはキロさんと一緒にいる時は心がウキウキしたり、気持ちが温かくなるような瞬間はほぼ無くて
なんとかその時間をやり過ごすのだ
こうやってキロさんと2人で会うようになって3年になる
3年前はキロさんには悪いが、一緒にいる時間が苦痛で苦痛で仕方がなかった
もうイヤだー!イ・ヤ・だー!!という心の叫びを常に上げていた
それが、マインドフルネスを意識するようになってからかな
そんなに苦痛じゃなくなってきた
この日のお散歩も、キロさんの一方的なお喋りばかりではなくそれなりに会話を膨らませることができたし
素敵なお話にちゃんと気づくことができた
前はイヤだ!が先行して、いいお話も聞き逃していたんだろう
キロさんがいたから、さかなは自分の心境の変化を発見することができた
きっとキロさんも辛かったと思う
喋っても喋っても手応えのないお喋りなんて虚しいでしょ
2人のコミュニケーションは良くなってきてると思うんだ
よかったなぁと心が温かくなった
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