さかなの1/29

さかなは10日ほど前から
お金がなくて困っていた

さかなはカロさんに生活のためのお金のほとんどを出してもらっているけど
一応さかなもたまにお茶運びのバイトをしているので
生活に必要なお金を少しは一緒に払っていたし
“何もしない”イベントにかかる費用や
ちょっとしたお小遣いはアルバイト代から払っている

それが、アルバイト代が入る10日前ほどから
「あら??お金がないワ」
となった

アルバイト代が入るまでのあと数日間の食費と
“何もしない”イベントにかかる費用と
アルバイトに行く交通費を考えると
ウーン、足りないな!

たまにこういうこともある

さかなはカロさんと一緒に暮らすまで
お小遣いどころか食費も無いくらいお金がない暮らしをしていたので
こういう状況には慣れているんだけど
カロさんに貧相な食事を出すのは悪いなぁと思ったりして
どうしたものかと考えていた

すいすい〜すいすい〜
どうしたものか

マインドフルネスを始めてから
ピンチにいちいちアタフタしなくなった

お金ないんだけど
わずかにある分で、なんとかできるところまでやってみよう

食費は値引き品や少しでも安く済む食材に変えたり
食べなくてもいいなと思えたら食べるのをやめたり
イベントの費用はない中から絞り出したり
交通費はなるべく公共潜水艇を使わず、すいすい自分で移動したり…

お金がないということに、焦らず静かに向き合うと
案外、ある分でなんとかなったりする

あー、よかったな

この日、カロさんは朝も夜も自分が食べる食事を楽しそうに自炊してた
洗い物だけが残っている
それを洗って
わたし食べてないのに洗い物だけわたしがやるの?
と「?」が浮かんだ

あ、でもわたしはお金がないからカロさんに支えてもらわないと生活できないもんなぁ
じゃあ洗い物はわたしがやろうか
と思ったりしても
いやでも「?」が浮かんでくる

そこへカロさんが戻ってきて
「すまないね」
って言ってくれた
そうだよね、この状況は
「ありがとう」じゃなくて「すまないね」って言ってくれるのが
わたしもしっくりくるよ
わたしの「?」はそれでサッパリ解消した

今日の午後はカロさんとぐる〜っと町の半分くらいをお散歩したんだ
今まで気づかなかった景色や、同じ物を見ても感想が違ったり
何気ないけど、充実した
お散歩時間だった

おうちに帰り着いたとき
遠くの景色がふんわりした薄ピンク色だった
ふんわり心が満たされた

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