大切な人の悲しみにどう応えるか

20年以上お世話になっているピアノの先生がいる。

先生から久しぶりの連絡があった。飼っていた猫が天国に行った、と。

先生の自宅でピアノを教えてもらっていたから、レッスンの度に会っていた猫ちゃんだ。


こういうとき、過去の私だったら「猫ちゃんは幸せでしたね」と言っていたと思う。でも今回はあえて言わなかった。なぜなら、幸せかどうかなんて本人にしか分からないよね、と思ったから。

もちろん心から「猫ちゃんは幸せだった」と信じている場合は、その言葉が大きな力を持つだろう。現に私もそう言ってもらって心が楽になったことがある。でも私の本音がちがう以上、軽率に言ってはいけないな、と感じたのだ。

伝えたのは、年末に生前の猫ちゃんと会えてよかったこと、感謝の気持ち、家族と生徒に愛されていたこと。
事実と猫ちゃんへの感謝にとどめた。


悲しんでいる人を見ると、やはり元気になってほしいものだから、どうしても「何か良いこといわなきゃ」「元気づけなきゃ」と思ってしまう。

でも悲しい気持ちはそうそう無くなりはしない。それは大好きだった祖母を亡くして気づいたこと。6年経っても全然忘れられないし、枕を涙で濡らす日もある。

ただ私が望むのは、祖母との思い出をできるかぎり覚えておくことと、祖母からもらったものを大切にすること。

だから、私にできることがあるとすれば、猫ちゃんと過ごした時間を先生と一緒に思い出すことだと思っている。今は。(あとは、ただ聴くこと。これはまだ出来てなくて、これから培いたい姿勢)


悲しみは癒えなくってもいいのだ。

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