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書評 やりたいことをやるというビジネスモデル

金曜日から土日にかけての濃い経験を経て大きな決断を下しました。

そんな今朝の未来を創る朝読書はこちら。

やりたいことをやるというビジネスモデル
著 遠山正道
版 弘文堂

スープストックトーキョーの運営会社
(株)スマイルズの代表者 遠山正道さんの書籍。

 スープストックトーキョーを始められたときの「物語」
「スープで行きます」とともに、読み応えのある経営論です。

従来の経営論とは全く違う「哲学」が展開されていて、ビジネスをやるんだという発想のひとには「理解」できない記述が多い。
ビジネスをやる、のではなく、自分のやりたいことを社会的なインパクトをもってやると決めた人には必読の書だと思います。

経営とはどのような価値を創造するかをデザインするシステムであり、その価値は、価格や利便性ではなく、共感や体験に根差したものでなけえれば市場に受け入れられない。

だから、ビジネスをやる!のではなく、ビジネスがその個人の価値観に根差した「やりたいこと」だからこそ、共感や体験を生み出す。
 
「やりたこと」が個人の趣味の世界であれば、採算を度外視してもいいけれど、ビジネスでといった瞬間、採算、自律はついて回る。

だから、共感の輪が広く、深いこと、そこに価値が感じられる仕組みや仕掛けをデザインできていなければ、成り立たない。
 
遠山氏の発言や社内から発せられる様々なメッセージだけを追いかけていると、なんと芸術家なのだろうと感心させられるが、彼はビジネスと芸術の両立という絶妙なバランスの中を生ききっている。

やりたいことをビジネスで。
そのために高い理想を忘れない。
やりがいのあるものを忘れない。

それは、本当に意義があるか。
その意義は社会的なことか。
明るく築く未来のもとになっているか?

感性主義が始まった今、起業する全ての方に読んで頂きたいと思う名著でした。

京都で「知的資産とビジネスモデルの専門家」として、活動しています。現在は内閣府の経営デザインシートの普及に勤めています。