VRC大喜利ハウスが一年続いたのでここで少し野暮話など

2023年の7月、拙作大喜利ハウスをVRChatにアップロードしました
当時はYouTubeで大喜利の動画を観るのにハマり出した頃でした
自分もやりたいなとワールドを検索するも自分の要件に合致するものが見つけられず制作が始まります

晴れてひとまずの作成が終わり用意が整ったので、このワールドのチュートリアルと位置付けて"VRC大喜利ハウス"というイベントを開始しました
そこから一年が経ち、自分以外が主催の大喜利イベントも起き、YouTubeへの配信をはじめたりを経た今、無粋ではありますが毎イベントのはじめに行っている説明に込めた意図を書き下したものがこの記事です

ちょっと小話

"大喜利ハウス"というワールドがあり、このワールドで行われるイベントが"VRC大喜利ハウス"です
大喜利ハウス及びVRC大喜利ハウスの共通タグとして"#VRC大喜利ハウス"を設定しています
イベントでなくても弊ワールドで遊ばれた様子を各SNSへ投稿の際は"#VRC大喜利ハウス"をつけていただけるととても嬉しいです

私の考えるお笑いの到達点

今の私の論ではお笑いの到達点を内輪ネタだとしています
これは単にあるグループ内でしか通用しないネタという意味ではありません
"互いに人となりを多少なりとも知った間柄の複数人が、面白がらせよう・面白がろうと協力して心地よい空間をつくり出すこと"を内輪ネタと表現しています
あるグループないでしか伝わらない、けどそのグループなら絶対にウケると思って対応を考えることも、上記の一形態だと考えています

時事ネタやモノマネでは多くの人が知っている物を共通点として、その場を内輪にしていると言えます
落語では本編に入る前に枕を挟むことで会場の空気を探り話し方を変えたりするそうです
これは人となりを知る、知ってもらう手段なのでしょう
また、演芸を観に劇場に赴いたり動画を観るのに、「絶対に楽しまないぞ」と思っている人はまずいないでしょうから、その場には楽しませたい人と楽しみたい人が集まっているはずです

一方でどこかでウケたのであろうギャグをどこででもずっと擦り続ける人や、信頼関係のある間柄であればこそ笑い合える応酬を、その人となりも知らずずけずけと表面だけをなぞって人気者になろうとするような人には、その場の人を見ることが足りていません
きっと楽しませたい気持ちは十二分でしょう(そんな気持ちさえなく、自分がおもしろいことを誇示するだけを目的とする人もなかにはいます)が、まわりがあなたと楽しもうと思っているかどうかを考えられていないのでしょう

これらのようにウケるウケないは、ウケようとする側だけではなく双方が絡んだ問題と私は捉えています
なので双方の心の距離がとても近い状況で行われる"内輪ネタ"をこれ以上ない到達点と考えるに至りました
お笑い芸人や噺家など演芸のプロになるには、その場を内輪にする(面白がろうと思わせる)技量も重要なのだと考えます

VRC大喜利ハウスで楽しみたい笑い

一般に笑いは落差から生じると言われます
美男美女がすっとんきょうな表情をする、堅物の先生が問題を間違える、張り付けた空気のなかでおならが出るなど、その場、その人に期待された言動と、実際の言動との落差に笑いが生まれます
ただ、このような笑いは人の失敗や欠点をあげつらう下品なものになりやすいです
笑われる方も許容していればいいですが、そうでなければすぐにその人への誹謗中傷、攻撃となってしまいます
しかし、このような笑いは比較的かんたんに狙えてしまうため、バラエティー番組をはじめ様々なところで重宝されてしまっている事実があります

私はお笑いには知的でかっこいいものであってほしいと願っています
前段のような笑いもタイミングをみて出せば効果的ですが、考えもなく手札がないからそれしかできないようなものは、どれだけ人気があっても私は嫌いです

大喜利はお題へ回答する形で行われます
お題がうまくつくれていれば、お題のなかに落差の補助線がすでにできています
過去お題"医者とコンビニバイトが逆の世界"であれば医者のあるあるをコンビニバイトにやらせたり、その逆をしてみたりすれば自ずから落差が生まれます
この落差をどうすれば大きくできるかを考えることは大喜利の醍醐味ひとつだと思います

思わずそれだ!と言ってしまうような、思いもよらなかったのにピッタリハマる回答がでることを楽しみにいつもお題を考えています
とは言えあまり深く考えすぎて楽しむことを忘れてほしくもないので、ほどよく頭を回転させて楽しんで挑んでほしいです

大喜利ハウスの目玉ギミック

大喜利ハウスを作成するに辺り、一番悩み苦労しつつも実装した機能が"観客のリアクションを大きくする"ギミックです
これは"観客席でジャンプすると拍手音がなる"機能として実装されました

私はお笑いをその場全体で心地よい空間をつくることと考えています
そのため、自分がお笑いに特化したワールドをつくるのであれば、観る人がリアクションを返せる(観る人も能動的に参加できる)仕組みの導入は絶対条件でした

VRChatではマイクを有効にして遊ぶ人もいれば、ミュートにして遊ぶ人もいます
単純にプレイヤーの笑い声に頼ると、そのような人のリアクションを取りこぼしてしまいます

VRChatには任意の絵文字を宙に飛ばしてコミュニケーションを行う機能があります
これは画的に華やかでよいですが、なれていないと咄嗟に利用するのが難しいです
また、やはりリアクションは音で得られた方が壇上に立つ側としては嬉しいです

ジャンプはどのようなプレイ形態でも1操作で行えるアクションです
大喜利ハウスではだれにでもかんたんにリアクションを行ってもらえるよう、これをトリガーとして拍手音が鳴るギミックを実装しました
ジャンプでリアクションする様子は見た目にもある程度分かりやすく、また音として反応が返ってくる機能は思っていた以上に好評をもらえ、いい機能を実装できたなと満足しています

回答が発表された際には是非とも利用してもらえればと思います
壇上に立つ側は思っている以上に客席の反応を気にしています

まだバグがあったり最適にはなっていないところもありで、不具合が見つかった際は再現方法とあわせて共有もらえると助かります

VRC大喜利ハウスで大切にしたいこと

毎イベント1問目を発表する前に以下のような説明を行っています

こちらはVRC大喜利ハウスです
回答をおもしろがりあう会です

オレが一番おもしろいぜという心意気は大歓迎ですが、みんなでおもしろがりあうことが本旨です
舞台上にいる方も客席にいる方もまわりに人がいることを忘れず、すべてをおもしろがる心意気で挑んでください

中央に立ってる人がその瞬間の主人公です
人が出て行ったらタイミングを計りやすいよう静かにして、やっていることが終わる前に勝手に入っていったりなどしないようお願いします

いつも読んでる台本冒頭

改めて私はお笑いとはその場にいる全員で心地よい空間をつくることだと考えています
前に立っている人はその先導者です
先導者は周りにあわせてこの場で刺さるものを考える必要がありますし、それ以外の人はできる限り先導者の意図を汲もうとする必要があります
より高度な技術を持った先導者は周りに求める努力を最小化します
そのような人を人はおもしろい人と認識するのだと思います

けれど、VRC大喜利ハウスに集まってくださる参加者のほとんどは私も含めてただの素人です
(ごく少数実際に舞台に立つような本物が参加されてることもあります)
なのでYouTubeを観るようなものを期待されると、どうしても期待に添えないことがあります
どうか観客席で観られる皆さまには5割増しで楽しもうという気持ちでいていただけると助かります

また、そうは言っても心地よい空間をつくりあげられるかどうかの大部分は先導者に依る部分が大きいです(そうでなければお笑い芸人などの職業が成立するはずもありません)
同じ回答でも見せ方やタイミングが変わるだけで、大きく反応が変わってしまうこともあります
これは一朝一夕でどうにかできることでもありませんが、周りが手を差し伸べることは可能かもしれません
リアクションを大きくとる、簡潔な説明を付加する、ボケを重ねるなどあなたが壇上にあがっているのなら、中央に立つ人を助けることも会場を内輪にするためにできることのひとつです
やりすぎは進行の妨げになってしまいますが、塩梅を考えながら色々と試行錯誤してもらえれば幸いです

結び

ここまでお読みいただきありがとうございます
弊イベントは毎月第二第四金曜日の22時からグループ"ヨコタと"のgroup+インスタンスで開催しています
この記事で初めて知られたという方はgroupに参加いただくか、インスタンスに参加されているフレンドにジョインしてぜひ一度お越しください
回答するのはハードルが高いという方も問題ありません
むしろ回答者に比べて観客が少なく、いつでも観客を募集しています

いつも参加くださる大喜利ジャンキー方に改めての感謝を
水を飲む暇もなく回答があがる現状には困りもしますが、それ以上に間を繋げる必要がなくなることへの感謝はしてもしきれません

大喜利ハウスでイベントを開催いただいている、開催を考えている、遊んでいただいている皆様へ
VRChatや法の許す限り、私から制限を行うことはありませんので是非とも自由に遊んでいただければと思います
冒頭のタグを見かけたら勝手に拡散しますので、参加に制限のない回でしたらタグをつけて出してもらえればと思います
特に断りなどは不要です
好きにやったりやらなかったりしてください

以上、改めましてありがとうございました

とっぴんぱらりのぷう

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