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奈良旅行してきた。1日目。

 2022年末に3泊4日で奈良に家族旅行に行ってきた。
 奈良は大好きな場所だ。よく好きな古都は京都か奈良に分かれるというけれど、私は奈良派だ。まず、奈良は空いている。空いているのに世界遺産や国宝がゴロゴロしている。そんでもって、ここから日本が始まったのかと思うと、なんか感慨深い。

 しかも奈良は『いまなら。キャンペーン』で宿泊施設が50%も割り引いてくれる。なんてことだ!これは行くっきゃない。

 出発は12月28日朝4:30。真っ暗な中、車で出発し、運転する夫を除いてみんな爆睡しながら高速を一気に駆け抜け長谷寺に到着したのは10:00。 

長谷寺には399段の長い登廊が続く

 長谷寺は399段の階段がゆるゆると連なる。階段の段差は大したことはない。長谷寺の特徴として季節折々の見事な花が登廊の両脇に咲いているのが醍醐味だが、年末はちょろちょろと牡丹が咲いているのみだ。途中途中で紀貫之や清少納言、藤原定家などの文人たちが長谷寺に残した句碑と風景を眺めながら、えっちらおっちらと登り続ける。

長いよ長いよー
本堂まではまだまだ遠いのだ

ようやく本堂に到着。長谷寺の本堂には10メートルにも及ぶ本尊十一面観世音菩薩立像(室町時代)と崖の上を迫り出す舞台があってど迫力だ。これが気持ちよくて、何時間でもぼーっとできるのだ。

ここの眺め、好き。

 のんびり登って舞台でぼーっとしてたら12時になった。突如、法螺貝と鐘の時報が鳴り響く。これ、清少納言も聞いて驚いたらしく、「その子ども、女、童(わらべ)などみなゆきて つれづれなるに ただ傍に貝(ほら貝)を俄に吹き出したるこそ いみじう驚かるれ」と書き残しているらしい。
 法螺貝を吹くお坊さんは2人、鐘を撞くお坊さんは1人。3人トリオの時報だった。法螺貝の音は合戦の時みたいに「ぶおぉ〜」みたいな音を想像していたのだけど実際は「ぴよょ〜」みたいな音だった。
 本当の法螺貝の音は「ぴよょ〜」であってるのだろうか?吹いているお坊さんは2人共若そうな方だったので、ひょっとしてまだ腕が未熟なのだろうか?
 すごく気になったので、「法螺貝が売っていたら自分で吹いて確認してみよう」と思っていたのだけど、後に法螺貝を売っている店を見つけて値段を見たら、「7万円」と書いてあったので、石油王になった時に確認することに決めた。

 そろそろお昼ご飯を食べようと、長谷寺の山道をブラブラしていると「にゅうめん」を食べさせてくれるお店が。奈良は大好きなのだけど、名産の食べ物が地味だ(失礼)。その地味な食べ物の代表が「三輪そうめん」。三輪そうめんをにゅうめんで出してくれるのだ。


おいしいよ。にゅうめん。

 4人家族中3人はにゅうめんを頼んだのだが、長男だけは「僕、お汁粉食べたい。」と甘味男子になった。家でにゅうめんを作るとベチャベチャになってしまうのだが、お店のにゅうめんはしっかりコシがあって美味しかった!!体に優しい味がする。
 一方長男はお汁粉をすすりながら口直しの塩昆布を静かに噛み締めていた。そしてポツリと「僕、こんなに美味しい塩昆布を初めて食べた。」と言った。ちょっと待て。主役はお汁粉だろう。誉める対象を間違っていないか?その塩昆布、多分「くらこん部長」だと思うぞ。 
 食べ終わって今度は安倍文殊院に長女の高校受験のお願いに。安倍文殊院は「3人よらば文殊の知恵」の1つなのだ。

安倍文殊院。国宝もあるんだぜ。

 安倍文殊院は境内に弁財天、奈良時代の遣唐使・安倍仲麻呂、平安時代の陰陽師・安倍晴明がお祀りされている方位災難除けをしてくれる金閣浮御堂霊宝館というのがあって、ちょっと面白い。七まいりと言って7枚のお札を渡される。このお札を持って金閣浮御堂霊宝館の周りを「〇〇しませんように」と祈りながら7周するのだ。災難避けなので「しませんように」と祈らなければならないのが間違えやすい。普段「〇〇しますように」とお祈りするたちなので、間違っちゃうのだ。
 ちなみに受付のお姉さんが説明してくれたのだが、細かい説明が多く、すでに私以外の家族はそっぽを向いている。お姉さんの説明が終わった後、家族集合をかけて、もう一度説明するはめになった。
 金閣浮御堂霊宝館の通路の一番後ろはムッチャ細い通路になっている。この一番細い通路を通る時が一番安倍晴明に近づいているらしいのだが、大きな鞄を肩から下げて、最近肥え気味の私は、後ろの通路に差し掛かると「ガガッ」と壁にぶつかる。ゆえに7回ぶつかり、安倍晴明も「お前、うるさいよ。この次から鞄がぶつかりませんように」とご立腹なはずだ。ごめんね。 

安倍文殊院(渡海文殊群像)国宝。鎌倉時代の快慶作。獅子に乗る文殊菩薩を中心として、向かって左に維摩居士(最勝老人)と須菩提(仏陀波利三蔵)、向かって右に獅子の手綱を持つ優填王と先導役の善財童子、四人の脇士を伴う「渡海文殊群像」は、雲海を渡り、私達衆生の魔を払い、智恵を授ける為の説法の旅に出かけているお姿。(HPから借りてきた)

 渡海文殊群像は結構な迫力で、長女と「この中の人物になるなら、どれになるか」を話し合った。私は善財童子になる。ちょっとおとぼけでヒョイヒョイ歩きそうで愛らしい。長女は優填王を選び、「なんかムッチャ強そうだわ〜」と言った。我が家系からは決して菩薩は生まれないらしい。
 

安倍文殊院は合格祈願でも有名で、こんな風に受験生を応援してくれる。あやかりたいねえ。

 最後に長女が絵馬を買って、合格祈願をしてからホテルに向かった。橿原神宮前にあるホテルに着く頃には3万歩ほど歩いていて、とても疲れていたので、近くの王将で夕食を済ました。まさか旅行に来て、王将で夕飯を食すとは。「王将の餃子、ムチャ美味いよねー。」とのたまう長女。我が家は家計に優しい遺伝子が組み込まれているに違いない。ホテルには温泉もあったので、さっさと入浴してバタンキュー。翌日は吉野へ向かうため、早めに就寝して鋭気を養った。1日目終了。

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