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母の「何かあった時」のノートに書いてあったこと①〜決意を決めた言葉〜

「何かあった時」

そう書かれたノートを1年ほど前に母から預かった。
エンディングノートのようなものだった。

2008年に書き始めた形跡がある。
母が55歳の時だ。

そこには、加入している保険や証券番号、年金の受け取り期間などが細かく書かれていた。

ページを捲るにつれ、読んだ本の感想や簡単な日記のようなものもあり、
ここは読まないほうがいいかなと飛ばして読んでいた。

改めて、このノートを見返すと
母は難病がわかる前から「老い」や「死」と
すごく真剣に向き合ってきた人なのだとわかる。

延命措置は拒否すること
胃ろうは拒否すること
使える臓器があれば全て使って欲しいこと

この3つは年月を超えて数回書かれていた。


〝娘二人の判断に任せる
娘は母親の気持ちを よく知っていると思うから。〟

そう書かれた言葉を見て
私は全てを決意した。

私が正しいと思う道へ進んでいいんだ。

後押しされた気がした。

14年の間に、母の文字は少しずつ形を失い
嬉しいことがたくさん紡がれていた日々の記録は
体が思うようにいかない辛い記録に変わっていた。

そのなかに、ある詩が美しく書かれていた。

その詩があまりに衝撃的で
私は心底身震いすることになる。


つづく。


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