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PTSDとトラウマケア

以前のnote でこんな記事を書きました。

幼児期に受けた虐待やいじめによってできる「心の傷」は、
体が成長して大人になっても、ずっとずっと残る。

ってことが、まだまだ当たり前に理解されていない。

子どものケアはもちろん大事だけど、
心の傷を抱えたまま大人になった人たちへのケアこそ
必要だってこと。


理解されないから、

甘え
我慢が足りない
本人の努力不足=怠け
過去にこだわるな

こんなふうに、
突き放された言葉で片づけられてしまう。
悲しい。


トラウマケアを甘く見てはいけない。
きちんと理解してほしい。

わたしの体験からも感じてることです。

本当のトラウマケは、
(傷ついた)過去に目を向けなければ、
本当の解決にはつながらない。
ということを。



逆に、
過去に目を向けるな。これからが大切だ。
なんて言われたら、
もっともっと感情を抑圧して心の病気や問題を
悪化させてしまう。


前を向いたほうがいいなんて正論は、
本人が一番よくわかってる。
他人から言われなくたって。

でも、なにしたって、どうしたってできないんだ。


悪夢の光景を何度もなん度も思い出す。忘れたいのに。
もう何十年と前なのに、まるで今の出来事のように、
まるでその悪夢の瞬間の中に自分がいるかのように、
記憶の中へ引きずり込まれる。
過去の呪縛にずっと囚われたまま。
それがPTSDというもの。


PTSDは、時間が経ってから症状が出ることが多い。
虐待やいじめは、子ども時代の出来事であっても、
大人になってから何かのきっかけで発症して、
健全な人と同じような社会生活を送れなくなる人もめずらしくない。


虐待やいじめの渦中にいるときは、
その環境に耐えようと、生き延びることで必死なんだ。

体だって、頑張んなきゃいけない時ほどムリが効くもんでしょ。
ホッとした途端に、熱が出たり、倒れちゃったりする。
心だって、同じしくみ。
危機的状況から脱してからこそ、トラウマ症状が出てくることが多い。

危機的状況と言っても、戦争体験や災害、暴力などの命を脅かすものじゃない。

身体的虐待やネグレクトに比べて、精神的な虐待が理解されにくいのには
そういうところもあるんだろうね。


コミュニケーションのない(薄い)家庭環境の中で、
子どもは親から精神的な虐待や気持ちの無視を
日常的に受け続ける。

たしかに、衣食住は満たされているかもしれない。
命には直接関係ないかもしれない。

だけど、気持ちや考えを理解してもらえない、
それは1人の人間としての存在を無視されるのと同じで、
親との心のつながりがない、

子どもにとって、ひとり真っ暗な中を歩くようで、
どれほどの恐怖とストレスを味わうのか、
じゅうぶん、トラウマになりえる。


わたし自身も、生きづらさや心の問題が、
親と絆なかったこと、トラウマが原因だったこと、
自分の中でストンと理解できるまで10年以上かかった。
実家を出て問題と向き合いはじめてから。
それくらいトラウマ治療というのは時間がかかる。


時間がかかってしまったのは、
ちゃんと話を聞いて、理解してくれる人や場所に
なかなか出会えなかったのも大きいと思うんです。


心療内科に行けば、
ろくに話も聞かずに、
自律神経失調症や、なんちゃら障害の診断、
薬を出されて終わり。

そりゃ、不眠とか、体の症状は薬で治るかもしれんけど、

どんな過去があったのか、
どんな感情でいるのか、
興味あります?
原因を知りたくないのですか?

人間扱いされてない気持ちになったり、
薬じゃ治んねーんだよ!
と、疑問に思っていた。


そんなら、と、カウンセラーを探すのもまたたいへん。

ただ考え方や行動を変えようとする人etc…

ただでさえ
人間不信なのに、もっと人間不信になってしまう
体験もたくさんあった。

本質的な解決にはなかなかつながらなかった…。


(あくまでわたし個人の体験です。
心療内科やカウンセラー自体を否定しているにではありません。)



そういう体験をしてきたからこそ余計感じること。
理解されることなくして、本当の回復はないってこと。


少し理解されたくらいで、すぐに回復できるもんじゃないけど、
体のリハビリと同じで、
傷が大きければ大きいほど、
痛みや感じたくない感情と向き合わなければいけなかったり
しんどいことも多い。

だけど、
話をきいてもらえること、理解されること、
心にちゃんと届く言葉をかけ続けてもらえること、
それが何より薬なんだ。

話しを聞いてもらえるっていうと、受け身に聞こえるけど
ちゃんと聞いてもらえる理解してもらえる受け皿がないと
安心して話せないからね。

話しをしないと、話をきかないと、
人を理解することは難しい。
理解しあうことは難しい。


最後まで読んでくれた人ありがとうございます。
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