天照大神(あまてらすおおみかみ)と天岩戸(あまのいわと)その4(全4回)
天照大神は岩戸を少し開けて、外の様子を見てみることにしました。
「これ、そこに居るのは、天宇受売命(あまえのうずめ)か? お前はそこで何をしているのです。何をそう騒がせているのです。」
天宇受売命(あめのうずめ)は、片足を上げてくるりと回ると言いました。
「はい、それはここに素晴らしい神さまがおいでになったからでございます。どうぞ、ごらんなさいまし。」
天照大神はもっとよく見ようと岩戸に手をかけますと、そこで待っていた大刀辛雄命(たちからおう)の神がガラガラと大きく石戸を引き開けたのです。そこへ、天宇受売命(あめのうずめ)のまわりにいた神さまたちが鏡を差し出しました。するとそこには大きな鏡に美しい女神が映し出されたのです。そうです、天照大神ご自身のお姿だったのです。大刀辛雄命(たちからおう)の神は目をみはっている天照大神の手を取って岩戸の外へと導きました。その隙に他の神々が岩戸の前に、しめ縄を張って、天照大神が戻れないようにしたのです。するとたちまち輝く太陽が現れて、全ての国中に光が満ち溢れました。暖かな陽の光が戻ってきたのです。そこにいた大勢の神々は皆大いに喜びました。知恵の神の思金(おもいかね)が言いました。
「国中すべての者たちは光が無ければ何もできないのです。岩戸からお出になられて嬉しゅうございます。これからも絶えることなく光をお与えくださいまし。」
天照大神はにこやかに微笑みました。スサノオはこれらの様子を遠く神々の後ろからそっと見ていたのでした。
これでおしまい。
最後まで読んでくれて、ありがとう。
さぁ、お休み。
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