徳川綱吉の脚気と練馬大根 その3(3分割)

綱吉は練馬大根を喜んで、5代将軍になってからも、江戸までこの大根を届けさせ、たくさんの大名たちに「日本一の大根よ、脚気も逃げていくわい」と練馬大根を自慢して振舞っていたんだって。練馬のお百姓さんたちも、献上する大根、お殿様が召し上がってくださるお大根よ。といって一生懸命に作っていったからね。とっても有名になっていったんだよ。

脚気という病気は今だってあるんだ。ビタミンB1っていう栄養の素(もと)を食べなくなると、綱吉のお殿様のような病気になっちゃうんだよ。食べ物の中にはいろんな元気になる素がはいっているんだよ。白いお米にはビタミンB1が入っていないから、脚気になっちゃったんだね。ビタミンB1は、豚肉やレバー、胚芽(はいが)やお豆にたくさん入っているんだよ。だからお豆腐やお味噌汁やお肉なんか、ちゃんと食べていれば脚気にはならないですむんだよ。白いお米ってのは、えらいお殿様くらいしか食べることができなかったんだよ。ほとんどの江戸の人たちは、白いお米にする前の玄米(げんまい)と言われている茶色っぽいお米を食べていたんだよ。その茶色の中にはビタミンB1が入っていたんだ。だからね、玄米を食べていた庶民の人たちは脚気にはならなかったってわけね。わざわざお殿様ようにと白いお米にしちゃったもんで、脚気になっちゃったんだね。江戸時代には今みたいないろんな食べ物がなかったからね。ビタミンB1を食べるのが難しかったんだね。今の季節、おでんの中の大根なんて最高に美味しいよね。

さぁ、何でも食べて元気になっていこうぜ、ポン!

さぁ、お休みだ、ポン!

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