越すに越されぬ大井川 その1(全2回)


今日はね、川のお話しさ。静岡県の大井川は「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」と歌でも歌われているように川を渡るのが大変だったんだよ。

ポンと昔。江戸の日本橋から京都の三条大橋までの道を東海道と言ったよ。武蔵(むさし)、相模(さがみ)、伊豆、駿河(するが)、遠江(とおとうみ)、三河(みかわ)、尾張(おわり)、伊勢(いせ)、伊賀、近江(おうみ)、京都。今なら、東京、神奈川、山梨、静岡、愛知、三重、岐阜、滋賀、京都といくつもの村を通りすぎること、492キロだって。昔の人たちは、ここを歩いて行ったんだから、すごいよね。この東海道には、いくつもの川があったよ。川は自分の足で濡れながら渡ったり、船に乗ったり、時には肩車なんかしてもらって渡ったりしたというんだよ。
「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」
この歌で詠まれた大井川はね、静岡県に流れる川さ。赤石白根山(あかいしいらねやま)の南側から流れ出ていて、駿河湾(するがわん)に流れ込んでいるんだ。その長さは168キロメートルだって。しかも、日本でも屈指(くっし)の急流なんだって。屈指とはね、たくさんある中から、これとこれって選んで指を曲げながら数えていくことを言うんだよ。特別ってことさ。急流は水の流れが速いことさ。川幅は900メートル近くにもなったって。

大井川を渡りたいけれど、渡れないのがこの川。橋もなけりゃ渡し舟もないんだ。なんで?ってね。江戸時代ではこんなに幅の広い川には橋を架けることが難しくて出来なかったというし、西の国から大名たちが攻めて来ても、ここで足止めできるから、わざと船を置かなかったと言われているよ。

今日はここまで。
橋のない大井川、旅人はどうやって渡ったんだろうね。
続きはまた明日。お休み、ポン!

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