幽霊の恋 その1(全5回)


今から200年くらい前の江戸時代のお話しだよ。
夢なのか、タイムスリップしているのか、不思議な魂(たましい)幽霊のお話しだよ。
超有名な幽霊のお話しだよ。

ポンと昔。牛込というところに、飯島平左衛門(いいじまへいざえもん)という、そりゃあ立派な武士がおったんじゃよ。残念なことにお嫁さんを早く亡くしてしまってな。可愛い娘お露(おつゆ)と2人暮らしじゃったんだがな。女中のお国と言う娘を新しいお嫁さんにしたんじゃと。お露さんは心の優しい綺麗な娘さんになっていったんだと。

ところがな、お国の方は下男の源次郎(げんじろう)と仲良くなったもんだからな、なんと、平左衛門(へいざえもん)のごはんの中に毒を盛って、邪魔になった平左衛門を殺してしまおうとしたんだよ。けどな、その毒の量が少なかったおかげで、平左衛門の命は助かったんだがなぁ。お国のしたことと、その毒のせいで平左衛門は心の病気になってしまったんじゃよ。このあと、お国と源次郎は、どこかへ行ってしまったんじゃ。可愛いそうに、平左衛門はな、ぼんやりしていたりな、また、急に「お国ぃ~」と叫んでは刀を振りまわしてみたりしてな、あやうく、お露さんが切られそうになったこともあったそうなんじゃよ。でな、お露さんは、考えて、静かな下町の柳島横川(やなぎしまよこがわ)というところにある、隠居所へ移っていくことにしたんじゃよ。そこで、お露さんは、お琴などを弾いたりしてな、平左衛門の気持ちを治してあげようと努めていたんじゃなぁ。

ある日のことじゃよ。その隠居所のそばに、広い堀があってな、その堀へ根津(ねづ)という所に住んでいる萩原新三郎(はぎわらしんざぶろう)という若いお侍(さむらい)がな、志丈(しじょう)というお医者さんと一緒に魚釣りに来て、小舟を浮かべていたんじゃよ。

今日はここまで。
読んでくれて、ありがとう。
また明日、ポン!

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