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南永田団地の空山鳥語を目指して~「国際交流イベント」を通じて~

 みなさん、横浜市南区にある「南永田団地」のことをご存知ですか? 
近年、この南永田団地に住む外国人の数は右肩上がりで増え続けています。そして、その増加に伴い、日本人住民とのコミュニケーションの促進やお互いの生活習慣に関する理解と協力がますます重要になってきています。
そうしたなか、団地の管理を担っている株式会社URコミュニティ横浜住まいセンターは、コミュニティカフェ「サロンほっとサライ」を運営するNPO法人永田みなみ台ほっとサライと地区の社会福祉協議会へ呼びかけ、3者が主催となり、みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ(以下、みなみラウンジ)の協力のもと、団地住民同士のつながりづくりを目的に9月24日(日)「国際交流イベント」を開催しました。
 実は、このイベントは今年で3回目となります。第1回は今から2年半前の2021年3月に開催しましたが、私の目には今年の方が明らかに「団地住民同士のコミュニケーションが増えている」と映りました。
イベント当日、みなみラウンジはインド料理、モンゴル馬頭琴演奏、タイ伝統舞踊体験の講師を紹介し、結果として250人をも超える住民が参加してくれました。

コミュニティカフェサロン「ほっとサライ」でカレーライスを一緒に作りました。

 インド料理を担当したのは3街区に住むインド出身の二名で、本場インドのスパイシー味のほか、日本人の口に合うようにとマイルド味を準備してくれました。結果、準備した60食はあっという間に完売となる盛況ぶりでした。
 モンゴル馬頭琴演奏では、初めて聴く日本人が会場の大半を占めましたが、自国の馬頭琴演奏を聴こうとモンゴル出身者も数名来場していました。彼らは母国のポピュラー音楽を異国の地日本で聴けたことにとても感動していました。
 演奏者の計らいで日本の名曲「ふるさと」を馬頭琴で奏でたとき、会場の雰囲気は最高潮に達し、なかには涙を流しながら歌っている方もおられました。

モンゴル馬頭琴演奏の様子

 タイ伝統舞踊体験は、穏やかで、優雅な時間となりました。皆で大きな輪をつくり、講師と一緒に手と体を動かし国籍・性別の枠を超え「指先の芸術」を楽しみました。

タイ伝統舞踊体験を楽しむ南永田団地のみなさん

 当日、このイベントに参加してくれた外国人住民に出身地を聞くと、バングラデシュ、インド、ネパール、モンゴル、フィリピン、ウズベキスタン、セネガルなど様々でした。
 今年のイベントの特徴としては、前回より明らかに外国人参加者が増えたことと、日本人が外国人参加者に声をかける場面が多数見られたことです。
 前回のイベントは「団地に住んでいる外国人と日本人が顔見知りになり、日常生活で挨拶するきっかけ作りの場」でした。今回は「一緒にこの団地の未来を作っていこうとする場」だったなと、皆さんからそうした意気込みが伝わってきたイベントでした。

南永田団地で暮らす日本人のみなさんと歓談

空(くう)山(ざん)人を見ず、ただ人(じん)語(ご)の響(ひび)きを聞く

王維

 これは、中国唐時代の王維の詩です。深山幽谷の中、さまざまな鳥がさえずる優美な情景を描いている詩ですが、緑いっぱいに囲まれたこの南永田団地も、さまざまな鳥がさえずる中、日本語のみならず外国語も響く団地であって、住民同士が仲良く過ごしていけたらと願ってやみません。

みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ 王 慶紅

外国につながるお子さんもタイ舞踊を体験

みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ

みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ(通称:みなみラウンジ)は、市民活動支援センターと国際交流ラウンジの機能を持った横浜市内唯一の施設です。当ラウンジは市民活動支援センターとして、市民活動に関する相談・情報提供や、市民活動団体の活動拠点として場の提供をするとともに、国際交流ラウンジとして、外国人市民のための生活相談や情報提供、多文化共生ボランティアの登録・派遣・活動支援などを行っています。

住所 〒232-0024 横浜市南区浦舟町3-46 浦舟複合福祉施設10階
電話 045-232-9544(日本語受付)、045-242-0888(外国語受付)
開館日 休館日を除く毎日(祝日も開館) 9:00~17:00
休館日 毎月第3月曜日および12月29日~1月3日


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