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身体は知っている


右肩が重く痛みがあり、二の腕にもしびれがあるので施術をお願いしに行ったところ、実際施術されたのは左側の骨盤と左足の脛だった。そして、肝臓。

どういうことかを聞いてみたところ、一番の問題は「前頭葉の使い過ぎ」で、それが左側に出ているらしい。肝臓は、怒りをためすぎている、と。

私は実際、思考が強すぎる。何かを思って発言しようとする時、瞬時にいろんな人の立場で状況を捉えなおして、解釈しなおしたり落としどころを見つけたり、勝手に一人で納得してしまうから口にしないことも多々ある。思考に感情をからめとられて、何も行動できなくなる時がある。10代のころは、それが異常に強かった。今も、これはやっぱり私の特性なんだろうな。うまくそれと付き合っているつもりでも、やっぱり油断するとバランスが崩れる。

目まぐるしく力強い思考のおかげで、私は自分が心底楽しいと思うものや美しいと思うものを、どこかに置いてきてしまった。世界よ平和であれ、身近な人々よ幸せであれと、そのために自分に何ができるのだろうかと、そればかり考えている気がする。

自分の好きなことに時間をかけたり、美しいと思うものへ愛情を惜しみなく注いだり、そんな積み重ねが、そんな自分の感性を通しての表現こそが、実はこの世界を輝かせたり、場合によっては救ったりもするのだと、そう気づいたのはだいぶ大人になってからだった。

何を一番大事にして生きてゆくのか。正解はもちろんないのだけれど、思考よりも感情を見つめて、それすらも見えなくなる時は身体に耳を澄まそうと、この自分の身体をそういう側面からも頼りにしていいのだと、そう思いました。




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