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ゲームアプリ探訪記その2『IQダンジョン』

はじめに

今回紹介するゲームは「Hirameku」が配信している『謎解きRPG IQダンジョン』。ジャンルはパズルゲームで、配信しているプラットフォームはGoogle playストア及びApp store。料金は基本無料でアプリ内課金で広告除去やダイヤ(後述)の購入を任意で行う事が可能。
今作の特徴は謎解きRPGの名の通り、各ステージのテーマに沿って謎解きを行いながらまるで昔ながらの王道もののファンタジーRPGのようにストーリーが展開されていくという点だ。
ステージは現在最新章のシーズン3の前半部分に当たるレベル195まで配信されており、後述する要素もあってかなりのボリュームに仕上がっている。

ゲームの進め方

ここからはこのゲームの大まかな進め方について解説していく。説明の都合により解き方は編集で隠すがシーズン1(レベル1から70)の一部のステージを紹介するためその点を予めご了承願いたい。
プレイヤーが最初にプレイする事になるシーズン1のストーリーは、騎士アベルが囚われの姫を救い仲間達とともに魔王を倒し世界を救うという王道な展開となっている。
次の三人がシーズン1における主人公達である。

本作の主人公(=勇者)に当たる騎士アベル
仲間の一人である弓使いパトリック。本作の問題児でもある
最後に登場する魔法使いゴードン。論理的な思考が求められるステージによく出てくる
姫。魔王に捕らえられていたがアベルによって助け出される

それでは最初のステージであるレベル1を見ていこう。この物語はアベルが武器屋らしき店の前にたたずんでいる場面から始まる。どうやら冒険に出るための装備を整えに来たようだ。
しかしどこか途方にくれた様な表情をしている。

レベル1。困り顔のアベルと武器屋が配置されている

店に並んでいる装備を試しに彼に着せてみようとすると店主が怒りだして金貨を要求してくる。どうやらお金を持っていなかったらしい。
ここで今回の目的はなんとかしてアベルが装備を整えられるようにする事というわけだとわかる。

怒り出す店主

ここで大事なのがゲーム画面に表示されているアイコンや目盛りだ。

画面上

まず上側から見ていこう。左上に並んでいる三本線と一回転している矢印のマークはそれぞれ「レベル選択に戻る」機能と「このレベルをやり直す」機能だ。これらは解法を間違えたり移動させる物体を間違えたりした時などに使う。
右上の宝石のアイコンはジェムと呼ばれる半分課金通過の様な物で、下画面の解説で述べるヒントの閲覧やレベルスキップに必要。ボーナスレベル(後述)のクリア、動画広告の閲覧、広告除去の課金(600円、無限)で獲得可能。
そして中央の目盛り。これが一番大事なのだが、これは今挑戦しているレベルの解き方の傾向を示している。

解き方の傾向

この目盛りは上にあるこの画像の通り、左の電球のマークに下向きの矢印が寄っている程発想の柔軟さが求められ、反対に右のジグソーパズルのマークに矢印が寄っている程知識や思考力を求められる事を示している。つまりこのレベル1では「こうなるはず」という論理だった思考よりも「こうすればよいのでは」という柔軟なひらめきが必要
という事になる。


画面下


では続いて下側の方も見ていこう。左から順にヒント1、ヒント2、動画広告視聴、星の獲得状況と入手ヒントになる。
ヒントは先程述べた通り、ジェムを一定量消費してそのレベルの解き方に関するヒントを教えてくれるという機能だ。ヒント2ではより多くのジェムを必要とする代わりにより具体的なヒントを教えてくれる。しかしレベルによってはほぼ答えそのものを教えてくれる事もあれば全く当てにならない事もあるという少々難のある機能だったりもする。
なお一部のレベルではこれらの他にステージスキップというジェムを更に追加する事でそのレベル自体をクリアした事にするというものもある。
動画広告視聴については説明済みなので割愛。
右下の星はシーズン1を一度クリアすると一部のレベルに追加される収集要素で、これを全て集めると次のシーズンへ行けるという仕組みになっている。
これらを駆使しながら知恵とひらめきでレベルをクリアして物語を進めていくのが基本となる。


ボーナスレベル

ある程度進めると途中でレベル選択の画面に枝分かれしたレベルが出現する事がある。それがボーナスレベルだ。

ボーナスレベルが出現している図。「ボーナス○(○は数字)」と表示される

このボーナスレベル、序盤の数回を除いて基本的にそのレベルが出現した辺りのレベルからその応用編のような謎解きが出てくる事が多い。クリアする事で大量のジェムが貰えるが、その時に動画広告を視聴する事によって獲得するジェムの量が倍に膨れ上がる。
初回クリア時にしかジェムは入手出来ないので広告を除去していない、もしくはする予定が無い人はしっかり広告を見てここでジェムを貯めておく事をおすすめする。

最初に出現するボーナスレベル「ボーナス1」

シーズン1は本作のチュートリアル的な側面を持っており、このシーズンで学んだ事を以降のシーズンで活用していくこととなる。

評価点と問題点

このゲームの評価点はやはりステージ構成がバリエーションに富んでいるという点だろう。単純に捜し物をするのが目的のレベルが複数あったとしてもその手段がそれぞれ全く別で「このレベル前にもあったような……」という感覚になりにくかったのはボリュームを考えると凄い事だと思う。前述した星集めのシステムも所謂「裏面」に近く意外性のある解き方で楽しめる事もあり同じステージでも使い回しているという感じはなく良いやり方に思えた。
一部のレベルではミニゲームをプレイしてクリアする必要があるのだが、その一部はシーズン3に到達すると開放される「賢者の町」でひたすら遊べるようになる。本編よりも捻った内容になっており単品で楽しめるのも高評価だ。

星集め。クリアしたステージを通常ステージに戻して攻略出来るという機能。再びプレイしたくなった人への配慮も好感が持てる。


また単純にゲームを進めていくのではなくRPG仕立てにする事で登場人物達の行動やプレイヤーが挑む謎解きにストーリー性が生まれていたのもこのゲームの様なステージをクリアするタイプのゲームではかなり珍しかったのではないだろうか。

しかし一方で粗がない訳ではなく、このゲーム性が悪い方向に働いている場面が見受けられたのも事実だ。
その中の一つが再挑戦におけるリカバリーの不安定さと特定のレベルでのアクション要素にあると筆者は感じている。
実はシーズン2の途中からアクション要素が増えてくるのだが何故か時間制限が妙にシビアなレベルが多く、かつ操作性も微妙に判定が怪しい時があり置きたかったはずの位置にキャラを置けないといった状況が増えそこからミスし最初からになる事が多々あり、そういった積み重ねがストレスに感じてしまうようになっている。

「ミスをしたら最初から」というパターンと操作性の悪さが組み合わさってしまった一例

上の画像で行っているのはパトリックの弓でリンゴを落としアベルがそれを拾うという一見単純なものだ。しかしここまでパトリックの弓の操作をしてきた人なら分かると思うが、彼の弓は細かい制御がしにくい。更にこのレベルでは一発のミスも許されないという異様なシビアさも見せている。それでいてアベルの操作もノーミスで行わなければならず更にどちらの操作でもたった1ミスしただけでまた最初からやり直しになってしまう。ただしこのレベルは短いので後々のレベルに比べるとまだ優しい方ではある。
余談だが、これ以降パトリックが狙撃を行うレベルでは1回でも外す=最初からやり直しというパターンが増え、筆者の中で問題児扱いされる事となった。

総評

バリエーションに富んだ謎解きと様々な工夫により飽きさせないゲームになっており作者の熱意が伝わってきた。一方で難のある操作性とリトライのしやすさのムラが激しく一部はやり直したくないタイプのステージになってしまったのは残念。しかしそれを差し引いてもプレイする価値は十分あるので広告の頻度が気になる人は開発者への応援も兼ねて広告除去に課金してみるのもありだろう。



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