見出し画像

社会人が小説スクールに通ってみた話

タイトルの通りの体験記です。
昔から一次二次創作の文字書きをしていたのですが、もっと小説を上手く書けるようになりたい!と思った私は、昨年度から小説スクールに通うことにしました。

私の通う小説スクールは、専門学校で2年制の全日制です。
ここでは割愛しますが、イラスト科や声優科など他の学科も同じ校舎内にはありました。(だから静かな教室内に、声優科の発声練習が壁越しに聞こえてくる時もあります。私は結構楽しんで聞いています(笑))
小説・シナリオ学科の授業は週4日で、1日2コマの日もあれば昼から夜まで8コマ続く日もある、結構がっつり勉強出来る環境でした。
(ちなみに仕事は時間の融通のきく派遣の仕事に変えました。)

結論からいえば、学校の勉強はめちゃくちゃ楽しかったです。
一度社会人をやって勉強から離れていたせいもあるのか、学ぶってこんなに楽しいことなんだ、と実感しました。

最初の授業ですごく覚えているのが、自己紹介の時に“嘘の自己紹介をしましょう”という内容だったことです。
普通、自己紹介に“嘘を混ぜる”なんてないですよね。
でも、先生は、小説や創作とは楽しい嘘なのだと仰いました。
(ちなみに先生は各授業によって別々の、小説やその業界で働かれているプロの先生です)

そしてまた自己紹介した時の皆の“嘘”が凄かったです。
凄かった、というのは“夢がある”や“ファンタジー!”な内容で、普通に生活してたらまず出てこないような内容でした。
歴史上の人物の生まれ変わり、実は神様である、こんなすごい能力を持っている…発想ってこんなふうにして常識の枠を壊して生まれるんだなぁと思いました。
私は『未来予知がある』という嘘をつきました。
だから、このクラスの皆の夢が叶います、という未来を予言しました。本当にそうなったら良いなあ…。

やっぱり何かに向かって頑張っている人たちの話ってすごく刺激になります。
仕事場だと仕事の話が中心になるけど、学校だと話す内容が全然違うので、それも含めてすごく新鮮でした。
プレゼン発表一つとっても、皆、多才だなあと感心することばかりでした。

授業内容は短編や長編の創作、文章(描写)の書き方、舞台や映像シナリオ授業、ゲームシナリオ、等々でした。
私は作家志望であまりゲームをしたこともなかったのですが、ゲームシナリオの授業ではキャラを作ったり、会話でのストーリーの進め方を学んだり、とても勉強になる視点が多かったです。

またプロットを組み立てたり、有名な作品の映画を見て世界観を学んだり(往年の名作『タイタニック』からアニメの実写『銀魂』まで幅が広い!)、先生から提示された課題を話し合ったりする授業もありました。
実は私、プロットを作って創作したことがなかったので、すごく勉強になりました。

他にも換骨奪胎、起承転結、ブロックで分けるといったストーリーの組み立てかたとか。
恋愛、冒険もの、旅、プロジェクト、ダークヒーローなどテーマや題材を学ぶとか。
長所と短所の踏まえたキャラの作り方、キャラが見えるようにという描写やストーリーの展開とか。
小説スクールといっても、ただ書くだけじゃない、色んな観点から学ぶことが出来ました。

私は自分の文章が何故か読みにくい、と常々思っていたのですが、主語と助詞の使い方を改めて勉強し直すことが出来たのは大きかったなと思います。
仕事の記録の書き方がくせになっていたことに気付き、そりゃ創作の文章は読みにくいに決まってる!と気付くことが出来ました。恐ろしいことに学び直すまで、何が変なのかわからなかったんですよ…

私のツイッターを見て下さってる方はよく知って下さってると思うのですが、私はおそ松さんというコンテンツが大好きで、映像や舞台の各セクションのスタッフさんの話が大好きです。
創作するという視点になると、その話が作品になるという過程が繋がっていく感覚がわかって、より深く学ぶことが出来ました。

例えばシナリオ授業では、同じクラスの誰かを役者としてシナリオを当て書きする、という授業がありました。
書いたシナリオは実際に演じてもらうのですが、私は脚本の一部をあえて自由度高めにしてみました。(私はヘタミュや松ステなど舞台のアドリブパートが大好きです)
演じてくれた人に練習で適当に思い付いた小説のタイトルを言ってもらったのですが、自由すぎて、めっちゃ笑いました。
なんだ、“徳川やっほー事件簿”って。
演者の魅力が存分に発揮された結果、キャラがとても跳ね、私が想定したよりずっと面白い話になりました。
役者とキャラの融合や、より良い作品になるってこういうことかと実感しました。
(ちなみに私が書いた脚本は『小説を書き終わらないと出られない部屋』という内容でした)

創作をするにあたって、最近考えるのがオリジナリティです。
自分の経験が武器になる、と言われていますが、そのままではなくて人に楽しんでもらえる作品にどう昇華するか、という点を考えます。
ありがたいことに、私の話は優しくて染み入るよう、と言ってもらえることが多いです。(良いところを褒めるという方針なので、伸び伸びと書けてありがたいです。)
それは多分、今までの自分の人生観や仕事で得たことなのが反映されているのかなと思います。
ちなみに時間が制限された中で書くことも多々あるので、そういう時の自分の引き出しって、やはり仕事や経験で得たことがダイレクトに出るんですよね。


先生方は、とにかくどんどん作品を作って応募することを勧められます。
どんな内容でも作品を完成させないと世に出ない、今は世に出るチャンスは応募だけではなくてWebなど沢山あるし、新人賞も一次や二次まででも通過をしたらそれが実績になるのだからと。

実は私、自分の好きな話が書けるようになりたい、という動機からスクールに入ったので、本を出版したいとか二の次でした。
同人イベントで自分で作っていたので、それで満足していました。だから、あと一年で卒業なのですが、その後も頑張って書くというイメージがありませんでした。
でも、自分の本を出した後のビジョンを見据えるという話を聞いて、また新しい夢や未来が見えたなあと思いました。
社会人や大人になってからだいぶ経つので、一般的に将来を夢見られる年齢を過ぎている気がするのですが、小説を勉強して自分の文章のスキルアップになったし、やりたいことの幅も学校に入る前よりもずっと広がったなと思いました。

卒業するまでのあと一年、精一杯楽しみながら頑張ります。

もしよければモチベーションアップにもなるので、応援してやって下さい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?