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美人な日本酒

◯◯美人と名の付く日本酒、
いったいいくつあるんだろう?
名前の由来は何なのだろう?
と気になったので
お客様と一緒に「美人な日本酒」を集めて楽しんでみました。

それぞれの由来をご紹介しようと思います。

①  ゆきの美人(秋田県・秋田醸造)
大正8年創業
秋田美人と言われるように美しい女性が多いことで知られる秋田県は、柔らかな酒質の美酒の宝庫でもあります。
降り積もる雪に磨かれた空気、
綺麗な水に育まれたお酒を美人に例えました。

しぼりたての生酒はフレッシュでピチピチ美人でした

②  南部美人(岩手県・南部美人株式会社)
明治35年創業。もともとは醤油の醸造元でしたが
現在の二戸で日本酒蔵を創業しました。自社の井戸と、武内神社境内の井戸のふたつから仕込み水を汲み上げていたことから「堀の友」という銘柄でした。
三代目蔵元の秀雄氏のころ「これからはより良い酒を造らねば!」という強い信念から、南部杜氏の雇用を始めます。当時の二戸税務署長の指導の下 淡麗できれいな酒の味を美人に例え、南部藩の地名と合わせて「南部美人」と命名しました。

ほんのりフルーティーでキレも良い。お燗も大好評。

③  東洋美人(山口県・澄川酒造)
大正10年 山口県萩市で創業。
初代蔵元の亡くなった妻を偲んで名付けたのが東洋美人。美しいかただったんでしょうね。
甘みもあり艶やかなフルーティーさがある美人な日本酒です。

甘さが心地良い、癒しの酒

④  福美人(広島県・福美人酒造)
大正6年、広島県の西条町で創業。
すぐれた酒造りの技術があり全国から杜氏が学びにきたため「西条酒造学校」とも呼ばれた蔵です。
地名の「福神」と「美人のようにふくよかで優しい穏やかな酒」を目指して「福美人」と名付けました。

お燗にすると旨味が一気に膨らみます。

⑤ 舞美人(福井県・美川酒造場)
明治20年に「朝鶴」という銘柄で創業。
福井藩主松平氏が小稲津の地で狩りをされた時に、村いちばんの美人が舞を献上したことにより「舞美人」と命名しました。
お米の旨味をいかしたコクのある味わいにこだわった酒造りをしています。
酒粕の上澄みを再発酵させたMYVYは、お酢と味醂と紹興酒を混ぜたようななかなか特殊な味わいで一瞬驚きますが お肉との相性は抜群です。

しっかりした旨味と酸味の舞美人。

⑥  菊美人(福岡県・菊美人酒造)
歌人 北原白秋ゆかりの酒蔵。
享保20年創業。
柳川で育ち、実家が造り酒屋だった北原白秋の姉が嫁いだ先がこの菊美人酒造(当時は江崎酒造でした)です。姉の元に度々転がり込み、酒を飲んで上機嫌になると詩歌を詠んだり 書をしたためたりしていました。この蔵の酒に菊美人と名付け、書いたのも白秋です。白秋の書いた書体を今もそのまま使用しています。

お魚、お寿司、和食に合いそうな綺麗な食中酒。

⑦  ちえびじん(大分県・中野酒造)
明治7年創業。
創業当時の女将の名前「智恵」から名付けたのが「智恵美人」です。
甘い味付けの多い大分県のお料理に合う、
まろやかな口当たりと旨味のある酒質、程よいフルーティーさで人気の日本酒です。

フルーティーさもありながら 優しい旨味とキレ

⑧  都美人(兵庫県淡路島・都美人酒造)
淡路島にはかつてたくさんの酒蔵がありましたが、現在では2軒のみ。
昭和20年に島の南部の酒蔵10蔵が合併して出来上がったのがこちらの都美人酒造です。
10蔵のうちのひとつに、京都伏見で創業し淡路島に移ってきた酒蔵「都美人」があり 10蔵の中でも最も響きが良いこちらの名前を取ったということです。

香りは穏やかで飲み飽きしない日本酒です。

⑨  島美人(兵庫県・北山酒造株式会社)
清酒の醸造は大正8年から。それ以前からローズ味醂という味醂を製造していました。

創業時は、兵庫県加東郡河合村粟生字島(現在の兵庫県小野市)に清酒の製造場がありましたので、
地名から「島」という字を取り、
その後ろに「美人」とつなげて「島美人」と名付けました。
創始者である北山丈蔵著書
「銘酒 島美人の沿革」には以下のように記されています。


「此の山奥に島美人とは何のいわれなるか」と尋ねらるる人あり、
初めは酒の名を当地方の有名なる原野「青乃原」と付けたるところ、
大阪の有力なる酒問屋連中曰く
「青乃原は酒の名として面白くない、鬼でもでそうな」と大笑い、
「それよりもやはり女性的な名が宜しい」と注意を受けたるにより、
当地は、昔は島村と云い、現在は粟生字島となれり、
また付近の人々は島の酒屋と呼べり故に、
島の字を頭に取り「島美人」と名付けたり。

泡盛みたいに見えますが日本酒です!

⑩ 紬美人(茨城県・野村醸造)
茨城県は古くから織物がさかんで、北部の結城では本場の結城紬が、南部の石下でも石下紬といって手が届く実用呉服として人気のあった紬着物の産地です。
筑波山からの軟水の岩内湧水を仕込み水に使用した滑らかな味わいの日本酒は まるで絹のように美しいということで紬美人と名付けられました。

香り控えめ、飲み飽きしないさらりとしたお酒

11.紀州美人(和歌山県・岸野酒造本家)
寛政9年創業。

12.見返り美人(千葉県・亀田酒造)
宝暦年間(1751~1763年頃)、山伏によって白酒が造られ 神に供えられた事からこの地に酒造りが始まりました。 以来、250有余年間にわたり、伝統の酒造りが続けられ、今日に伝えられてきています。

浮世絵師の菱川師宣が千葉県鋸南町の出身ということに因み、菱川師宣の「見返り美人」を酒の名に付けました。メインブランドは萬寿亀です。

13.越後美人(新潟県・上越酒造)
文化元年創業。

14.梅美人(愛媛県・梅美人酒造)

15.長崎美人(長崎県・福田酒造株式会社)

16.元禄美人(オエノンの合成清酒、パック酒)

以上、16銘柄確認できました。
たくさん「美人な日本酒」がありますね。

ぜひ見かけたら飲んでみてください!

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