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【ファンタジーS 2023】重賞展望~未来のスプリント女王を占う一戦~

阪神ジュベナイルフィリーズの前哨戦となる2歳牝馬重賞。今年は4年振りとなる京都開催。過去の好走馬にはナムラクレア、メイケイエール、レシステンシアといった後にスプリント戦線で活躍する牝馬の名前が挙がる。実際に過去10年で3着以内に入った30頭中24頭に芝1400m以下での勝利経験があるのは特筆すべき。1番人気が複勝率80%と信頼度を誇る一方、10番人気以下の馬が2勝を挙げており、スプリント重賞らしい波乱含みのレースと言える。

過去10年比較(阪神開催を除く)
・前走別
最多で勝利を挙げているのは1200mからの距離延長組。前述のとおり速い時計に対応できるスプリント適性が問われる。またローカル2歳重賞から臨んだ馬が3着以内に好走することが多い。

・脚質別
瞬発力勝負になりやすい京都競馬場×位置取りが重要な芝1400mという舞台条件から、3着以内に逃げと追込みが混在する両極端な傾向が見られる。位置取りが悪くとも鋭い末脚を持った馬は抑えておきたい。とはいえ、勝利馬10頭のうち7頭は4角5番手以内だったことから、軸馬は先行力を重視した方が良いだろう。

・騎手別
京都競馬場を得意とする川田将雅騎手がトップの2勝を挙げている。しかし今年はアメリカ遠征のため不参戦。騎手で狙うより馬の京都適性を重視するのが得策か。

・好走条件
①1400m以下で勝利している馬。スプリント適性が問われる
②先行力を備えた馬。ただし、最後方からの末脚一気も届くので要注意
③人気を問わず最多4勝の青枠には要注意。内枠から中枠の馬を狙いたい

人気馬考察

※想定人気から選定

キャプテンネキ
本レースと同条件の前走りんどう賞では2着のセキトバイーストが上り最速で迫るも前で凌ぎ切り勝利。新馬戦もハイペースの新潟競馬場を番手で進めて勝利。高い先行力と持続力を持つ。また本レースと相性の良いダイワメジャー産駒である点も評価できる。不安材料は今回メンバーとの相対的な実力差。これまでのレースではいずれも辛勝。前走で鞍上を務めた松山弘平騎手がキャンシーエンゼルを選択したのも気になるところ。実力馬が集まる重賞でどこまでやれるか。

クイックバイオ
前走ききょうSでは超高速馬場を上り最速で迫ったセントメモリーズに対して押し切り勝ち。勝ち時計が優秀で、今年デビューを飾り好調のブリックスアンドモルタル産駒というのも好印象。不安材料はテン乗りとなる西村淳也騎手への乗り替わり。前走まで本レースと好相性の川田将雅騎手とコンビを組んできたが、今回は川田騎手がアメリカ遠征で不在。西村騎手の手腕が問われる一戦になる。

シュークリーム
重馬場でのレースとなった新馬戦では後続に7馬身差を付ける圧勝。優秀な勝ち時計と逃げて上り最速33.8秒の末脚を披露し、能力の違いを見せつけた。鞍上は今年のスプリント重賞で大活躍の団野大成騎手。新コンビだが手は合いそう。不安材料は控えての競馬経験が無い点。今回のレースではハナを主張する馬が多いため競り掛けられた場合に対応できるかが鍵。また、重賞で結果を残せていないファインニードル産駒。1200m専用機の可能性も。

注目馬

ピューロマジック
2走前まで控える競馬をしていたが、前走未勝利戦は逃げて好走。タフな馬場状態の中、2着に10馬身差を付ける圧勝だった。2着馬のリネンワルツはその後すぐに勝ち上がっておりメンバーレベルは決して低くなかった。アジアエクスプレス産駒でダート向きの血統だが、母父ディープインパクトの血が効けば京都でも好走可能と見る。勝ち方が派手だった分、穴人気しそうだが人気薄ならば狙ってみたい一頭。

キャンシーエンゼル
新馬戦は1:08.7と平均タイムを大きく上回る勝ち時計で勝利。小倉2歳Sでは外差し有利な展開の中、3番手で競馬を進め1着のアスクワンタイムと0.3秒差の3着に好走。先行力が高く、脚質的にも好走条件と合致する。鞍上の松山騎手が人気馬の一角キャプテンネキではなく、こちらを選択したことも期待を抱かせる。好位で競馬できれば勝負できるはず。



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