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最大限の善を目指せ

Effective altruism is built on the simple but unsettling idea that living a fully ethical life involves doing the most good one can.

利他主義、利他的行為◆不可算
・While altruism is admirable, it is hard to live one's life completely unselfishly. : 利他主義は立派だが、全く自己中心的にならずに人生を送るのは難しい
英辞郎

効果的な利他主義は、完全に倫理的な生活を送るには、自分ができる最大限の善を行うことが必要であるという、シンプルだが不安定な考えの上に成り立っている。

今回は哲学者の言葉から。
Effective altruismというのは、自分が生きる上での一つの指針になるかもしれない。


ピーター・シンガーは、功利主義の立場から倫理的問題を探求しているオーストラリア出身の哲学者だ。シンガーは、選好功利主義の立場をとっており、利害関係者の選好を最大限に充足する行為が求められるとしている。

この考えを動物の幸福にまで広げ、注目を浴びた。動物実験や家畜の屠殺といった痛みを減らすことで、この世の幸福が増大すると主張する。

そのシンガーが、提唱している「効果的な利他主義」という概念について説明しよう。人助けをするなら一番効果的な方法を取らなければいけない。より効果的なものがあれば、そっちのほうが正しいということだ。たとえば「たくさん稼いでたくさん寄付するのと、効果的な慈善団本のス
タツフとして働くのでは、 どちらがいいか?」という問いだ。

シンガーは、もしたくさん稼いでたくさん寄付するなら、そつちのほうが正しいと言う。

シンガーは、貧困や飢饉などの社会問題にも選好功利主義を適用している。1972年にオックスフォード大学の講師だったときに発表した「飢餓、富裕、道徳」という論文では、飢餓や災害に苦しむ人々のために、収入の大部分を寄付すべきだと主張した。
「世界の哲学者の言葉から学ぼう」小川仁志著180-181p


一方、重い障害をもつ新生児の安楽死を擁護したこともある。この主張は、ドイツ語圏の人々に、ナチスの「安楽死」の苦い記憶を想起させた。

シンガーは、功利主義の起源から現在に至る歴史を解説し、貧困、安楽死、動物の権利などの現代的な課題の解決に功利主義が効果的かを訴えている。


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