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日朝関係、最近の動き

最近、少し動きが報じられている日本と北朝鮮の関係についてまとめて見ました。

2018年10月

 安倍晋三首相に近い政府高官が10月上旬、北朝鮮の情報部門である朝鮮労働党統一戦線部の幹部とモンゴルの首都ウランバートルで極秘接触を試みた(北朝鮮側が現れず失敗との見方も)と報道。(警察庁出身の北村滋内閣情報官と統一戦線部の金聖恵統一戦線策略室長ラインで、秘密接触は同年7月中旬、ベトナムでも。このルートは韓国国家情報院の仲介と言われる。「北朝鮮 拉致問題」有田芳生著、集英社新書、2022年)
 

2023年2月

 北朝鮮に拉致された被害者の家族会が、金正恩総書記に宛てた新たなメッセージを発表。家族の高齢化(横田めぐみさんの母親、早紀江さん{87}と有本恵子さんの父親、明弘さん{94})を踏まえ「親世代が存命のうちに全員の帰国が実現するなら、政府が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない」と、はじめて人道支援を認めるメッセージ。(全員帰国の線は変わらず、「全員」の範囲も明確ではないものの、日本政府の外交的空間がやや広がる? 一部市民団体にも統合の動き)

5月27日

 岸田文夫首相が、東京都内で開かれた北朝鮮による拉致被害者全員の即時帰国を求める「国民大集会」に出席。金正恩朝鮮労働党総書記との会談実現のため、「私(首相)直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」 (北村滋元内閣情報官のルートを活用との報道も)
同29日 岸田首相が自らの発言の意図について首相官邸で記者団に説明。「従来(金総書記と)直接向き合う覚悟で臨むと言ってきた。それを具体的に進めていきたい」
同日 北朝鮮外務省のパク・サンギル次官が談話。岸田首相が「解決済みの拉致問題」を提起しようとしていると主張。「先の政権のやり方に倣い、実現不可能な欲望を解決しようとするのなら、誤算であり時間の浪費になる」と非難。岸田首相が「わが国の自衛権」に関わる問題を議論しようとしているとして、日本政府が核放棄を求めていることも批判。ただ、互いに関係改善を模索すれば、「日本が新たな決断を下すなら、朝日両国が会えない理由はない」と発言(日朝協議再開かと注目を浴びる)

7月3日

 韓国紙の東亜日報が、日本と北朝鮮の実務者が6月に中国やシンガポールなどで複数回にわたって水面下で接触したと報道。松野博一官房長官は3日午後の会見で、「そのような事実はない」と否定。日本政府の基本方針として、日朝平壌宣言に基づいて拉致・核・ミサイルの諸懸案を包括的に解決して国交正常化を目指すことをあらためて強調。(接触場所と時期が違ったため、記事を全否定した可能性)

9月12-17日

 金正恩総書記が訪ロ、プーチン大統領と会談。北朝鮮は報道のなかで、4年ぶりとなる金総書記のロシア訪問について「両国関係の強化と発展の歴史において、新たな転換的局面を切り開いた」と強調。(北朝鮮がロシアへ武器供与を行い、ロシアが食糧支援、軍事技術支援との観測も)
9月19日(現地時間) 岸田首相が国連総会の演説で、「拉致、核、ミサイル問題を解決し、日朝国交正常化を目指す方針は不変だ。条件を付けず金正恩朝鮮労働党総書記に向き合うため首相直轄のハイレベル協議を行う」と呼びかけ。

9月

 月刊文藝春秋に小泉純一郎元首相の秘書官だった飯島内閣官房参与が2013年の訪朝記録を公開。金永日朝鮮労働党書記が「拉致問題が朝日関係の全てではない」「双方に立場の違いはあるが、誤解不信の解消に務めれば、終着点を目指せるし、平壌宣言も履行できる」「平壌宣言が履行されないことの責任は安倍首相にもある」と日朝平壌宣言に言及したと明らかに。(このタイミングで公表した事に憶測)

9月29日

 今年2月と5月に日朝が接触との朝日新聞報道。報道によれば、場所は東南アジアの主要都市。双方が従来の姿勢説明。日本側は秋にも政府高官の平壌派遣を検討。北朝鮮の拉致解決済みの姿勢変わらず。交渉は停滞している。(高官とは?)
同日 松野官房長官「事柄の性質上、答えは控える」と述べ、東亜日報報道時と違い、報道を否定せず。「すべての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく、全力で果断に取り組む」と再度表明。岸田首相も「事柄の性質上、コメントすることは控える。一刻も早い拉致被害者全員の帰国に向けて努力を続けていきたい」

10月24日

43年前、大阪の中華料理店の店員だった原敕晁さんを北朝鮮に拉致したとして、国際手配されている2人の容疑者のうち、韓国籍の元工作員の男、金吉旭(キム・キルウク)容疑者が死亡したという情報が日本側に寄せらたと報道。

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