韓国大統領歴代のスキャンダル

以前書いた文章です

 朴槿恵前大統領は3月の憲法裁判所の決定で大統領を罷免され、失職した友人に国政介入を許したことなど「違憲、違法行為」であり「国民の信任に反し、許し難い重大な行為」とされたためだ。罷免は韓国の憲政史上初で、その後収賄容疑で逮捕されている。
 韓国の大統領は当初は、絶大な力をもっているものの、任期末期が近づくと、政権交代を意識して不正、腐敗が次々に暴かれるのが常だ。過去の大統領もスキャンダルにまみれて退任している。
 韓国南東部、慶尚道出身の豊かな家に生まれた故金泳三氏は出身地域をを特別扱いした上、息子が不正な資金を集め、逮捕された。
 民主化闘争で知られた故金大中氏は、長く冷遇されてきた自分の出身地である南西部、全羅道地域の出身者を政府や公共機関に取り立て、地域同士の対立が激化した。この2人とも息子の不正により、批判を浴び、支持を失った。
 地域対立や不正との決別を強調していた弁護士出身の故盧武鉉氏は、ブローカーから賄賂を受けた容疑を持たれ、散策中の山から身投げし、自殺するという衝撃の最後を迎えた。
 ビジネス界出身の李明博大統領も、在職中に不正資金事件で実兄が逮捕されている。
 大統領は国民から直接選ばれ、任期は1期5年に制限されているが、広範な人事任命権を手に、行政から軍、司法に至るまでにらみを利かせる。法案の拒否権、戒厳令の布告、憲法改正の提案などもできる。在任中は特別なケースを除いて逮捕されない。
 これは軍事的に北朝鮮と対峙しているなか、有事に即応するため大統領の権力を強化していることがある。さらに権力の回りに集まり、利権を受ける縁故主義の文化が社会に浸透していることも指摘されている。
 強過ぎる大統領の弊害が指摘される一方で、社会の流れを一気に変える強い大統領が求められている面もある。

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!