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5分で読める米中対立のポイント

国際ニュースの中心は、22年も米中対立だ。頭の整理に、問題の発生から現況、今後まで短くまとめてみた。

いつから始まったのか

改革開放米中関係は、中国がまだ経済的に遅れていた時代には、比較的安定していた。変化したのは2008年のリーマン・ショックからだ。


中国は金融市場を開放していないので、影響がなかった。
08年の北京五輪も無事に過ごした。米国は中国を意識し出す。


中国が「夢」を世界化

2012年11月、新しい国家主席に習近平が選ばれた。彼は「中国の夢」を言いだし、中国の願いを世界化した。簡単に紹介するとこうなる。

習近平総書記は「中国の夢」を掲げ、中華人民共和国建国100周年に当たる2049年には「社会主義現代化強国」として豊かな国になる路線を鮮明にしている。



米国のオバマ大統領は、それでも中国と良好な関係を望んだが、911によるテロとの戦争。アフガニスタン、イラク戦争で米国は体力を失っていく。

続いて登場したトランプ大統領は、アメリカファーストをうたい文句に、貿易、関税、技術面で激しく対立した。中国が米国の正当な権利を侵害し、経済の足かせになっていると主張したのだ。

バイデン政権で全面対立に


バイデン大統領は、トランプ時代に摩擦に加え、民主主義、人権を持ち出した。これで全面対立に発展した。これにはバイデン政権が、米国内で人気を失っているという国内事情も絡んでいる。そんななか、中国が台湾への圧力を強めている。中国の夢の中に、台湾統一が深く刻まれているためだ。


台湾が焦点になっている


もともと米国は台湾関係法という法律があり、台湾を国家と同様に扱い防衛兵器を提供できるとしており、実際に兵器が売却されている。これに対して「一つの中国」を掲げる中国は内政干渉だと非難している。

さらに国防時限法という法律によっても、台湾への軍事的関与を強めている。

強制労働については特別法を制定し、強制労働との関係が疑われる中国製品の締め出しを図っている。


米国の制服組トップは、台湾侵攻は1~2年以内はないとも明言している。北京冬季五輪、共産党の党大会も控えているためだ。2023年が最も可能性が高いとの見方もあるが、これは危機を煽って予算を獲得するための方便である可能性もある。

尖閣、沖縄の危機につながる?

中国は、香港に続き必ず台湾を取りに来る。そのついでに日本の領土である尖閣諸島も触手を伸ばす、その場合、沖縄も攻撃目標になるという主張をする人が日本には少なくない。安倍元首相も、その1人だ。

尖閣諸島や与那国島は、台湾から離れていない。台湾への武力侵攻は日本に対する重大な危険を引き起こす。台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある。この点の認識を(中国の)習近平(シーチンピン)主席は断じて見誤るべきではない


安全保障は、最悪を想定して構築するものではあるが、中国が自国の経済成長を放棄し、国際的な制裁も招くことにつながる武力侵攻に乗り出すかはいまのところはっきりしない。

限定的な衝突になるとの見方も

「ニューヨークタイムズ」の国家安全保障特派員であるデイビッド・サンガーはCNNの番組で、「仮に、中国が台湾を攻撃する場合でも、間接的な方法を取るだろう」と述べている。中国の企業も台湾の半導体に依存しており、台湾で混乱が起きれば経済への大打撃になるためとしている。

個人的にはここら辺が妥当な見方ではないかと考えている。

Even if they seek to take Taiwan, I would doubt that it would look like a traditional military engagement. It would much more likely involve cutting off their liquid natural gas and cutting off the cable connections, the undersea cable connections that connect Taiwan to the world.

万が一、中国が台湾を取りに来るにしても、それは伝統的な軍事行動の姿は取らないだろう。例えば、液化天然ガスの海底ケーブルや、海底にある台湾と世界をつなぐケーブルの切断のような形を取るのではないか。(21年10月24日、Fareed Zakaria GPS)

中国軍は台湾上陸作戦も視野に入れているだろうが、兵士の上陸に必要な強襲揚陸艦の配備増強がまだ進んでいないという。ここら辺も注意しておくポイントだ。







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