正恩氏とレクサス

北朝鮮では、梅雨の長雨で各地に被害が出ているようだ。現地からの報道では、平壌に近い黄海北道銀波郡に金正恩朝鮮労働党委員長が直接視察に訪れた。
その方法が驚く。自らハンドルを握って、現地を訪問したのだ。しかも、その車が、トヨタを代表する高級車、レクサスだった。

日本とは国交はなく、貿易もほとんどないので、どこか外国で入手したあと、北朝鮮に持ち込んだものだろう。
レクサスが登場したのは10日の朝鮮中央通信だった。正恩党委員長が水害に見舞われた南西部を視察した際、集落を訪れたと報じた。

同通信によると、視察は6、7の両日だった。異例なのは、正恩氏が路上にとめたSUV(スポーツ用多目的車)の運転席に座ったまま、車外にいる幹部らに指示を出す様子を写真で伝えたことだ。

韓国メディアは、この車はレクサスの最高クラスであるLXシリーズで「570」と呼ばれるモデルだ。車には泥がついていたので、本当に自分で運転したのだろう。

ロゴやミラーなどの特色から、2017年8月以後生産されたもののようだ。2018年9月文在寅大統領が金正恩と共に白頭山を訪問する時に利用した。今年5月に正恩氏が順天肥料工場を視察した際などにも目撃されている。

国連安全保障理事会傘下にある北制裁委員会の専門家パネルの年次報告書でも、この車の存在は把握されていた4輪駆動の5.7リットル エンジンが装着されたモデルで、日本でも販売価格は1135万円程度になる。

対北制裁委は金正恩の専用車のメルセデス・ベンツの「マイバッハS600」の場合イタリアのある車両業者が購入した後、オランダ、中国、日本。韓国。ロシアを経て、2018年10月頃平壌で密搬入されたことと推定した。レクサスも同様に、海外を転々としたはずだ。

正恩氏がSUVを愛用しているのをみると、雨の影響で道路事情が良くないことが伝わってくる。

北朝鮮媒体は2015年、正恩が直接飛行機を操縦する姿を公開したことはあるが、車のハンドルを握った姿を報道することは今回が初めてだ。

米国の安保シンクタンクの先進国部屋研究センター(C4ADS)報告書によれば北朝鮮が去る2015~2017年高級車803台を輸入したという。この中3分の1を越える256台が日本車だった。

正恩氏は意外と日本車のファンのようだ。

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