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キッチンとホールの垣根をなくす②

2月11日の投稿で「キッチンとホールの垣根をなくす」というテーマでその効用を説明させていただきました。

今回はそのことに関してもう少し掘り下げて解説していきたいと思います。

「キッチンとホールの垣根をなくす」ということにおいて一番効果的なのは、互いの業務を実際に担当してみるということです。

飲食店においてはそれが容易に出来ると記載したかと思います。

その形式は下記のように様々です。

・新人スタッフがホールメインで仕事をしながら調理補助も担当する
・調理が好きでキッチン希望で入社した新人スタッフがホール業務を担当する
・仕込みから調理まで全てこなせるベテランスタッフがホール業務を担当する
・接客が好きでホール希望で入社したスタッフがサラダ等一部の調理を担当する

等々、例を挙げればきりがないですが、様々なケースが想定されます。

ここで重要なのは、ホール希望で入社した人が、ずっとキッチンばかりでは不満になりますので、キッチンをメインでしながらもホール業務も担当するということです。

また、ベテランの調理スタッフが、ホールをメインで担当する日もあるということです。

これはオーナーシェフのケースを考えてみるとわかりやすいです。

オーナーシェフで全ての業務を担当できない(経験していない)人は珍しいのではないでしょうか。

「全ての人材を尊重してプロとして接する」ということも先月の投稿(1/11)に記載しましたが、プロとして接するということは「プロとしての自覚を持てるような環境を提供する」ということでもあるかと思います。

双方を経験することで、「個別最適」から「全体最適」へと志向が変化していきます。

例えば、キッチンで調理を担当していると、いかに短時間で高品質の料理を提供できるかということに意識がいきます。

自然と料理を作る順番もそれに左右されてしまいがちです。

一方でホール側では「いかにお客様に幸せな時間を提供できるか」ということに意識がいきます。

そうなると、「このタイミングでこの料理を出したい」といった思考になり、単純にスピードだけではなくなります。

早すぎても駄目だし、遅すぎても駄目なので、料理の提供タイミングについてキッチン担当とホール担当できちんとコミュニケーションをとっていく必要がでてきます。

ここで、双方の業務を経験しておくことで、互いの心理(思考)が理解できるようになります。

また、厳しい局面(オーダーが立て込んでいる時)においてはキッチン側の苦労をホール側が理解し、ホール側の苦労をキッチン側が理解できるようになります。

一組のお客様のオーダーを優先したら、他のお客様のオーダーに影響が出るということもあります。

100%完璧であることにこしたことはありませんが、状況的にどうしてもそれが達成できそうにない時に、バランスをとるということが大切になってきます。

そのバランスをとる上でも互いの状況や心理を理解して、お客様目線で最適な連携が出来ることが理想です。

その為にはやはり、「双方の業務の垣根をなくす」ということが重要なのではないでしょうか。

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