見出し画像

農家直送野菜を飲食店に届ける取り組み②

昨日に引き続き、今日は1年間の運用を経て、いったん取り組みを中止した理由について記載します。


1.拘りの野菜に関するニーズの問題

飲食店は基本的に安く仕入れたいという傾向があります。

その為、近くに業務用野菜専門店や激安八百屋さん、スーパー等もありそこでの購入がメインになってしまいます。

私の扱う野菜は年間同じ金額を維持していますが、業務店は季節により、値段が大幅に変動します。

つまりは、私の扱う野菜の価格が安い時はこちらに注文が入り、業務店の方が安い時は注文が入らなくなってしまいました。

どんなに野菜が美味しくても、他店より高くてもその野菜を買おうというところまで持っていくことが出来ませんでした。

また、生産者や生産地や栽培方法をお客様に訴求していきたいと考えるお店も予想よりも少なかったということもあります。


2.配達スタッフの問題

途中から配達業務を提携会社に切り替えましたが、自社で配達員を抱えて出来るほど注文が入らなかったということがあります。

また配達しても薄利である為、そこそこ配達件数があっても、配達員コストを賄えないという結果になりました。


3.機会ロス

自店における在庫スペースにも限りがある為、せっかく注文が入っても欠品することもありました。


4.店頭でよく売れたことによる精神的な問題

店頭で売れた方が粗利が良くて配達コストも発生しない為、店頭で良く売れると、配達をやめて店頭に特化したいという気分になり、配達モチベーションを維持することが難しくなっていきました。


5.受注、集金業務の負荷

商品告知や受注業務、集金業務等も想像以上に負荷がかかります。

つまりそこには人件費が発生するということです。


6.各飲食店が買い出しをしたがっていた

配達することにより購入にかかる手間や時間のロスを削減できると考えていたのですが、個人オーナー等は買い出しを楽しんでおり、時間がかかっても自分で買い出ししたいという方が予想以上にいました。

その為、「配達してくれるなら多少高くてもありがたい」という思考に繋がりにくかったような気がしています。


7.廃業の問題

飲食店の廃業率は高いので、良い関係を築けて安定受注が見込めた飲食店が廃業することもありました。

このことから、一生懸命関係を構築していっても廃業により、積み上げて来たものが全て0になってしまうというリスクが発生します。

更に言えば、私の場合、そのお店は都度現金回収にしていましたが、売掛にしていた場合は、回収不能となって不良債権になるリスクもあるということです。


上記のようなことを踏まえ、約1年の活動期間を経て、いったん飲食店向けの配達業務は終了しました。

まだ完全に諦めたわけではありませんが、今のタイミングで大きな投資をしてチャレンジすべきではないとの結論に達し、今は店頭販売&ネット販売に特化した取り組みを行なっています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?