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『殺しへのライン』アンソニー・ホロヴィッツ


シリーズ3作目。相変わらず面白い。著者が、ワトソン役として出てくるし、現実とリンクしているので、どこからどこまでが創作なのか分からなくてワクワクする。

今作はホーソーンとのバディ感が増してきて、良し。ただの嫌なやつだったホーソーンが可愛く思えてくるから不思議。謎解きも秀逸。ミステリとして文句なし。

何より楽しいのはイギリスで発刊された作品が1年後にはもう読めるということ。今のイギリスってこんな雰囲気なんだなあというのも感じられる。

例えばiPhoneがよく出てくるので、イギリスもiPhoneが多いのだなあとか。今作はショートメール(おそらく)のやりとりもそのまま載ってて、See you laterをCULと書く、なんてとこもツボ。イギリスのドラマのモース刑事とかダウントンアビーなんかも観ていたので、それに言及されるとまた嬉しいし、ホロヴィッツはアガサクリスティオマージュや、シャーロックホームズの新作を書くなどしているので、それにまつわる話も何とも楽しい。

海外作品は、過去のものを読むことが多かったので、今現在のイギリスと地続きに生きて、イギリスの人たちと同じものを楽しめているというのが何となく嬉しい。

去年イギリス発刊されている『The Twist of knife』(シリーズ4作目)が日本でもまた9月頃に発売されるかなあと楽しみにしています。

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