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香月恵介@シブヤピクセルアート

香月恵介が9月15日(金)​より渋谷・原宿周辺の複数会場で開催されるシブヤピクセルアートのメイン展「HAKKO X(発光/発酵展)」に参加します。

アートフェア東京2023で展示した3600 Colors シリーズから数点と、カーソル作品を出展する予定です。

香月恵介
2016​年 東京造形大学大学院 造形研究科美術専攻領域 修了
画像を成り立たせるピクセルと色情報、絵画を成り立たせるメディウムの存在、視ることを可能にする光の存在。適度にバランスされ、現代人が意識することも、疑うこともないそれらの要素をコントロールし、視覚の曖昧さについて問いかけるような作品を制作。

"3600 Colors", "cursor WIN95" / 香月恵介 アートフェア東京2023展示風景


シブヤピクセルアート ー 世界最大級の「ピクセルアートの祭典」

シブヤピクセルアートは、1990年代のITバブルの時代から「ビットバレー」と呼ばれる渋谷を舞台に毎年開催される世界最大級の「ピクセルアートの祭典」です。「ピクセルアート(いわゆるドット絵)」の芸術的な価値にスポットを当て、渋谷の街全体を舞台に作品展示やフェア、トークイベントで構成され、街全体でその魅力や可能性に迫ろうとする試みです。

SHIBUYA PIXEL ART 2023 HAKKO

シブヤピクセルアートは、渋谷周辺の9つの会場で開催されます。
街歩きの体験がイベントの一側面であることが分かります。
渋谷は様々なカルチャーによって形成される街であると世界中の人々が認識し訪れているわけですが、その一方で渋谷のドット絵といえば、フランスのストリートアーティスト、インベーダー(Invader)による「鉄腕アトム」の壁画が、渋谷区によって2022年6月に撤去される事態も発生しています。

シブヤピクセルアートは、区の基本構想にある「新たな文化を生みつづける街/エンターテイメントシティ」の実現を推進し、「シブヤをもっと楽しく、もっと集まりたくなる場所にするための、象徴的なイベントになれば」と、2017年の第1回から毎年イベントを開催。2025年には「ピクセルアート」の保存、研究、展示を目的とする「SHIBUYA PIXEL ART MUSEUM」を構想しています。
ミュージアムができれば、ストリート、カルチャーに対する行政判断の前の議論の場としても機能することができるのかなと思い、実現してほしいなと思いました。


今年のテーマは「HAKKO」

メイン会場となるUNKNOWN HARAJUKUでは、16名のアーティストによるHAKKO X(発光/発酵展)が開催されます。
香月恵介の作品もこちらに展示されます。

【今年のシブヤピクセルアートの見どころ①】https://twitter.com/ShibuyaPixelArt/status/1700467531239358603

コンピューターやビデオゲームの黎明期に、機能的な制約のもと発展した低解像度の描写、所謂「ドット絵」や「絵文字」が、さまざまなメディアや新たな表現と結びつき変化(=発酵)してきた様子を「ピクセルアート」の現在地として紹介します。また、「ピクセルアート」を単なる表現技法に止まらないアートシーンとして捉え、「アーティスト」の作品や「コミュニティ」の活動に光を当て(=発光)させることで、「ピクセルとは一体何か?」、「ピクセルアートとは一体何か?」を鑑賞者に問いかけます。

SHIBUYA PIXEL ART 2023 HAKKO

会場:UNKNOWN HARAJUKU
場所:東京都渋谷区神宮前6-5-3
会期:9/15 - 9/24 | 11:00-20:00
※最終日のみ19:00まで
入場:無料
レセプション:9/18(月・祝)16:00-20:00

香月にとってピクセルとは

私の解釈するピクセルは明滅する色彩である。
明滅している画面は、画像における最小構成要素であるRGBのサブピクセルの組み替えによって人の視覚で知覚できないほど多様な色彩を作り出している。
ピクセルは結果、面的な画に見えるのであって、原理的には光る点である。私はピクセルの輝度を擬似的に絵具の明度に置き換えることで画を再現する。現実に存在する物質としての顔料には混色をしても色数に限界があり(そもそも把握不可能である)、通常256階調の色彩は絵具で60階長まで制限される。それにも関わらず何かしらの画に見えることこそが私達の視覚認知システムの根幹であると言えるだろう。

Shibuya Pixel Art 2023 – 香月恵介

3600 Colorsシリーズ / 香月恵介

香月が本展に出展予定の3600 Colorsシリーズは、現代の光の絵画化という作家の探求を同一フォーマットでシリーズ化した作品です。様々なインターネット上のデジタル画像がモチーフとして選ばれ、いずれも再現性の高い描写を実現していますが、全て縦60 × 横60列、合計3600の絵具のピクセルで描かれているのが特徴です。

3600 Colors No.19 / 香月恵介 53x53cm, パネルにアクリル絵具

cursor WIN95 / 香月恵介

カーソルシリーズは、本来デジタル上に存在する Windows のカーソルを具現化した作品です。Windows95 というエポックなシステムから、カーソル・ハンド・砂時計の3タイプを制作しています 。 作家が一点ずつ制作するにもかかわらずエディション制を採用している点が、香月が自ら構築したユニークな制作システムを反映しています 。

『cursor WIN95 』香月恵介
2022 / H.210x W.120 mm / パネルにアクリル絵具 / Ed.15
『hourglass cursor WIN95』香月恵介
2022 / H.220x W.130 mm / パネルにアクリル絵具 / Ed.15
hand cursor WIN95 / 香月恵介
2022 / H.220x W.170 mm / パネルにアクリル絵具 / Ed.15



シブヤピクセルアート
HAKKO X(発光/発酵展)

会場:UNKNOWN HARAJUKU
場所:東京都渋谷区神宮前6-5-3
会期:9/15 - 9/24 | 11:00-20:00
※最終日のみ19:00まで
入場:無料
レセプション:9/18(月・祝)16:00-20:00



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