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FWTの「2つの責任」

今日ある人にこの話をしたら、「それどっかに書いたほうが良いですよ」と言われたので、書いてみることにする。

ぼくの上司であり、Freeride World Tourのニコラス会長は、24年前に「The best riders on the best mountains」というコンセプトでフリーライドの世界選手権を立ち上げた人だ。

ビジネスとカルチャーのバランスがすごく良い、とてもリスペクトできるMr. Freerideである。

1月に、先日FWTのパートナーになって頂いた自然電力株式会社さんと、白馬村の自然エネルギープロジェクトのメンバーの皆さんとFWTのチーム数人でクローズドなパーティーをやった時のこと。以下は、ニコラスが挨拶で話していた話だ。

いまや世界で150以上のイベントを実施して世界中に放送し、18歳以下のジュニア2000人を含む5600人がフリーライドで世界一をめざすコミュニティを形成しているFWTには、2つの責任がある。

1つめは、Social Responsibility(社会的責任)。リスクの伴うアクションに順位を付け、バックカントリーも含む自然の山での滑走の魅力を伝えるFWTには、リスクの周知徹底と安全の啓発をする責任があるということだ。

2つめは、Environmental Responsibility(環境に対する責任)。いま、雪山で遊んでいる人全員が、雪が昔より減っていることを実感していると言っても過言ではないと思う。アメリカを発端とし、つい先日日本でも立ち上がったスノーボーダーによる環境保護の啓発NPO、Protect Our Winters(POW)が世界的なムーブメントになってきていることは、その危機感がスノースポーツ愛好者全体に広がってきていることの証だろう。

雪山を活動のフィールドとして、「伝える力がある人」には、山に現れ始めている温暖化の明確な兆しを世間一般の人に伝える責任がある。

ニコラスの言葉の受け売りだが、ぼくも100%同意する。

Social Responsibilityに関しては、既にFWTに関わってくださっているライダー、パトロール、ガイド、インストラクターの皆さんと様々なアクションが生まれ始めている。まだまだ十分果たせていないと思うので、来シーズン以降もどんどん強化していきたい。

Environmental Responsibilityに関しては、正直ぼく自身は自然電力さんとのパートナーシップの話が出るまでは温暖化に対してそこまでの危機感は無かった。

これも今すぐアクションを起こすべき何かであるというふうに気づいたのは、自然電力さんと話し、そしてFWTジャパンのアドバイザーでもありPOWジャパンのリーダーでもある小松吾郎さんの活動を遠目に見させて頂いたおかげだ。

自然電力さんとFWTとの取り組みは、具体的なアクションもまもなく発表できるのでぜひ期待しておいて頂きたい。

もうニコラスと仕事をして5年目になるが、こういう話を、アドリブで、ほとんど事前インプットもなく、イベントの準備真っ只中のタイミングでできるというのはさすがだなと思った。本人はこの文章を読むことは無いと思うが、日本においてはぼくがFWTのスポークスパーソンになるので、責任は重大であると身が引き締まった。

フリーライドスキー/スノーボードの国際競技連盟、Freeride World Tour(FWT)日本支部で、マネージングディレクターおよびアジア事業統括をやっています。