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Ordinary Delight

彼女と知り合ったのはおそらく2014年ごろだったと思う。

2012年に札幌でセッションをしたいと考えて、札幌在住のミュージシャンの知り合いに声をかけて、不定期に「札幌 くう COO」でおこなっていた。

数回目のセッションで彼女が参加してからはずっと彼女に参加してもらった。出会い頭でのセッションでは、あまりこういったセッションに慣れていないという印象だったけれども、その時から「音楽」に対する探究心には目を見張るものがあった。セッションを重ねることで、その進化に驚かせられた。興味のあるものは自分から掴みにいき、吸収し自分のものへと昇華していった。特に作曲能力には目を見張るものがあった、

2021年8月6日のセッションの時に、素晴らしいオリジナル曲が沢山あるのだから、それらをレコーディングしてカタチにしてみたらどうかと提案してみたら、私が10月5日に渡辺貞夫さんのお仕事で札幌に行くタイミングで、翌日10月6日にいつものセッションのメンバーでレコーディングするというブックをアッという間に彼女はセッティングした。なんという決断力、行動力。
彼女はいつもそうだった。

彼女が普段から使っている札幌ヒットスタジオでレコーディングがおこなわれた。彼女にとって「記念」という意味合いで数曲レコーディングした。40年近くレコーディングミュージシャンとして活動してきた自分にとってこのレコーディングはとても懐かしく、温かくて、オーガニックなものだった。
彼女も大層喜んでいた。惜しむべくはここにはアコースティックピアノが無かったのでエレピで演奏したということ。

その後、やはりアコースティックピアノでもレコーディングしたいこと、然も芸森スタジオでということを相談された。このスタジオは在京のミュージシャンにも人気なスタジオだ。

限られた時間の中で沢山の曲を録ることが出来たので、いよいよアルバムとしてまとめられることになって皆んなで喜んだ。

そんな中、数曲はダビングでもいいのでホーンセクションを入れたいとのこと。結果的にいつもお願いしている私の知り合いと共に東京にある音響ハウスでホーンダビングすることになる。(2022年11月20日)4時間程度で済むダビングを現場で見たいということで彼女は上京。

こうやって全曲のMixを彼女のホームでもある札幌ヒットスタジオで行う。

そしてせっかくだからと、マスタリングを私のソロアルバムやプロデュース作品の際にいつもお願いしているビクター川崎洋さんに頼みたいという。
しかも自分もその場に立ち合いたいということで上京。

ということで愛でたく彼女の2ndアルバム「Ordinary Delight」が完成。

そして旭川(2022年12月12日)、札幌(12月13日)でCD発売ライブ。

ここで完結かと思ったら、東京でもCD発売ライブをしたいとのこと。

2023年5月9日に中目黒 楽屋でおこなう。

彼女の意欲には驚くばかり。

2023年12月に体調不良ということで暫く演奏活動を休むというLINEが届く。

2024年2月21日に何やらふと心配になってLINEを送る。既読にならず。

2024年2月24日に亡くなったということを彼女のバンドメイトから連絡を受ける。

いつもいつもエネルギーに満ちていて、自分のやりたい音楽を実現すべく努力し、誰にでも優しくて、眩しいほどのニコニコ顔だった彼女です。

彼女の渾身の作品に参加出来て本当に良かった。

とにかく彼女の作品を多くの人に聴いてもらいたい。

是非彼女自作のHP、YouTubeをご覧になってください。

福由樹子 
HP https://yukikofuku.com/
You Tube https://www.youtube.com/c/FukuYukiko
X  https://twitter.com/yukikopf
instagram
 https://www.instagram.com/fuku_yukiko/?img_index=1

福 由樹子 Yukiko Fuku solo project
 https://twitter.com/yukikofukusolo

アルバムタイトルの「Ordinary Delight」って「平凡な(普通の喜び)」っていう意味だよね。




2月24日は私の弟の一周忌でもありました。

自分の気持ちの整理を込めての時系列での羅列恐縮です。


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