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【シラフの楽しみ】はじめに

仕事上、毎日患者さんに断酒を勧める際、<シラフの良さ>はいくらでも具体例を挙げて話せますが、<シラフの楽しさ>となるとちょっとハードルが上がります。何が楽しいかって、人それぞれですから。
 なので、拙著の執筆の際、飲まないことをポジティブにとらえ楽しさを追求しているグループがあれば参加して、楽しみ方の実際を知りたいと思いました。

 探すうちに知ったのが、Sober Curious(ソーバー・キュリアス)という言葉。
 アルコール依存症の人が断酒をしていることを、Sober(ソーバー)と言います。自己紹介で「私はソーバー5年です」(5年断酒している)といった風に使います。
 Sober(ソーバー)には「賢明な」という意味もあり、これに、「好奇心旺盛な」の意味を持つCurious(キュリアス)を合わせた言葉です。
 依存症になると「飲んではいけない脳になった」ので、ソーバーを目指すしか選択肢はありません。
 それに対しソーバー・キュリアスは「飲めるけれど、あえて飲まず」、そして「好奇心を持って様々なことに挑戦し、シラフの生活を楽しむ」ライフスタイルや人達を指します。
 
 次いで、フェイスブックのグループ「ゲコノミスト」を知りました。
 グループの趣旨は以下の通りです。

 平成の時代まではゲコは冷遇されていたが、令和の時代になってついに全国のゲコは立ち上がることになった。
 わたしたちゲコは、酒飲みの自由を奪うつもりはなく、ただただ共生したいだけである。ゲコやゲコに共感する呑兵衛のための癒しの空間がこのゲコノミストのグループである。
 ゲコならではの悩み、ゲコでも楽しめるレストラン情報の共有をここでは行いたい。

 5000人を超えるメンバーがいて、様々な投稿が飛び交っていて、賑やかです。下戸の大変さを訴えれば共感してもらえ、下戸での楽しめるレストランの体験記、ノン・アルコール飲料の紹介など、美味しそうで、目移りします。

 「飲酒しない=我慢、不自由」という過去のイメージを払拭することをめざし、このマガジンでは、シラフの楽しみ実践するのにお役立ちの記事を書いていきます。