#10 ほくろを焼いた

ほくろを焼いた。顔の花についてい右側のほくろ。
何年前からか突然存在感を出してきたほくろ。何やかんやでずっと邪魔な同居人。
何となく一緒にいるけれど顔にメイクをするときなんか存在感を出してきて隠すことができない黒い丸。
やっぱりむかついたのでほくろを焼くことにした。
どの皮膚科に行くか悩んでやっと決めたのは近所の皮膚科。
最初は往診からなので予約をしていくと「ほくろ大きいやつあるねぇ」と一言。
そうなんです、そいつが邪魔なんですよ。
心の中で何度も頷きつつトントンと翌週に手術することに。
局所麻酔の痛さに耐えつつほくろを焼いていく。
その時の匂いが、焼き魚だったのである。
ほくろを焼くと焼き魚のにおいになるのか。人生初めて気づきを得てしまった。くりぬかれている間も焼き魚のにおいに引っ張られてしまう。
手術中、人体は皮膚を焼くと焼き魚になるというどうでもいい気づきを得る有意義な時間だった。
手術後くりぬいた後のほくろを触らせてもらった。
色素がほとんどなくなってしまった丸い皮膚組織に私は悩んでいたのか、と思うとちょっと拍子抜けた。
ぷにぷにしていた皮膚組織を皮切りにほくろを取り除こう作戦で皮膚科が良いが始まったのは別の話。

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