エルム街の悪夢2 フレディの復讐 の話

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あらすじ
前作から5年後、ナンシーがかつて住んでいた家に少年ジェシーが家族と引っ越してくるところから始まる。それによりジェシーがフレディに目をつけられ、体が乗っ取られるところを友達やガールフレンドと一緒に抵抗していく様を描く。

この記事を書くにあたって他の方のレビューもいくつか見たのだが、よく目に留まったのが「シリーズ通して、最も残忍で冷酷なフレディ」という言葉。確かに今作、凄惨なシーンが多かった。

例えばフレディがジェシーの体から出てくるシーン、ジェシーの腕を割ってお馴染みの爪がジワジワと生え、腹からはフレディの顔面が飛び出しやがてばっくりと割れて孵化するように現れるところは表現がリアルだった。または、ホームパーティ中に襲いかかり、プールに電流を流して感電死させたりガスコンロに顔を押し付けたりと容赦なく、しかも楽しげに殺害していく様は確かに恐ろしさを感じた。

が、それ以上にシーンごとの繋がりがよく分からず、物語に入り込めなかったのだ。どこが夢でどこが現実か分からないという怖さを演出していると思うのだが、転換が突然過ぎて度々ついていけず怖さが減ってしまっていた。

最も顕著だったのが割と序盤。フレディに乗っ取られた後のジェシーが夜、皆が寝静まったあと台所に立つと外から雷鳴が轟き、稲妻が食器かごに落ちるのを見た。すると場転し、大雨の中ジェシーが外を歩いており、たどり着いたのはSMクラブ。そこで酒を注文すると、学校の先生に見つかり罰を受ける――というシーン、本当に話の繋がりが分からなかったのでフレディ特有の夢か??とハテナマークを浮かべているうちに、ジェシーの姿がフレディに変わり先生を惨殺する。翌日ジェシーが学校に着くと先生が殺されているのであれは現実だったのかと納得するのだが、やはり腑に落ちないというか、ううーん…。一応、その前のシーンで友達が「あの先生はクラブに通っている」という話をしているがそれでもなあ…

オチは前回と同じくバッドエンド風味で、フレディに乗っ取られたジェシーを救うべく、ガールフレンドのリサが決死の覚悟でフレディに目覚めのキスをかましてやり(!)、ジェシーは火傷を負いながらも自分を取り戻し、日常が戻る。明くる日学校に向かうスクールバスに乗り込み、リサと談笑していたのだが、バスはスピードをあげ停留所を過ぎてしまう。運転席を見れば、そこにいたのは中折れ帽の男。やはり悪夢は終わっていなかったのだ――と、ラストだけ見れば怖い展開なのだが、これまでの流れが流れなのでやっぱり感情移入がしづらいまま終わってしまった感。あとキスシーンもいるだろうか…愛の勝利という映画でもないのでは…?

殺害シーンが増え、ダイナミックさを強調したけれど、その分シナリオがいまいちでシーンも冗長になりがち…と見終わってからモヤモヤしてしまった。
が、こんだけ色々書いたけれどやっぱりフレディのキャラクターは好きだなあと思ったので、フレディの出番が多かったり若干過去に触れたりというところは良かったかもしれない。「お前らはみんな俺の子どもたちだ」発言にはポカーンってなってしまったけどね!あの発言の意図はマジで分からないけれど、作中唯一のジョークなんじゃなかろうか…!?

まとめ
・グロい描写が多いが、ホラーとしては弱め
・後半にかけてのアクションシーンは見応えあり、その分前半が冗長気味
・興行収入前作を上回ったらしい。マジぃ?
・フレディ役のロバートさんスッピンで初登場(!)私は気づかなかった…

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