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キャリアコンサルタント、占いにすがる

表題は、春日武彦『鬱屈精神科医、占いにすがる』から。

昨年度末、2024年3月ごろ。占いに行った。年度替わり、働き方に変動があり、不安になるころだ。相談業務をやっていて「私も人に話を聴いてもらいたいな~」と思ったので、実行した。さて、ここで誰に聞いてもらうかだ。

仕事の不安なので、同業であるキャリアコンサルタントでもよいのだが、背景とする理論が同じなら、アドバイス内容も推測がつく。自分じゃ思いつかない変化球が欲しいのだ。

次に臨床心理士を検討。cotreeのサービスを以前使ったことがあるが、今回は、暗くて理屈っぽい話にはなりたくない、と今回は外した。

つぎに、自分が通っていたコーチングスクール、CTIジャパン。ここの流儀や思想は好きだし、上級コース修了になると、腕前も信頼できる。しかし、コーチを探すことの難点は、リストを見ると劣等感で苦しくなることだ。高学歴・大企業出身の容姿端麗なコーチばかりがずらりと並ぶ。こんな人の前で自己開示できる気がしない。それでもなんとか、分かり合えそうな人を選んで体験コーチングを申し込む。3人お願いした。その中でも一番良かったのが、占い師兼務のコーチだった。語彙の柔軟性が高く、自分からは出てこない表現で私を語ってくれる。「ふたご座の持つチャラさ」という表現は画期的だった。

すると、私の求めてるのは占いでは?と思い、googleで「(地域名)+占い」で検索すると、占い店とともにレビューが見られる。駅前のショッピングモールに入っている占いブースが評判がいい。ここなら変なセールスがあった時に逃げやすそうだ。さっそく予約する。
占い師・ビクトリア先生(仮名)は、編み物教室の先生にいそうな、温和で上品な老婦人。座るとさっそくに、生年月日と氏名を聞かれ、先生は統計の本を見ながら、ホロスコープを書いていく。性格や、年月の運勢を一通り話始める。ここはまあ普通のことである。そして私が聞きたいのは「この1~2年悪いことが立て続けにあったけど、これいつ終わるの?」ということだ。すると先生「来月!」と明確な回答。ここまで運勢が悪いのは事実であるが、もうすぐ終わるのである。ああ、それが聞きたかった!他の悩みもタロットを使い、いろいろアドバイスをくれる。総論は「悪いことは起きても、最悪のことにはならないし、あなたにはそれに対処する力と幸運がある」ということだ。

ビクトリア先生は長年占いで生計を立ててきた人の安定感があり、話の切り口や話術が「ちゃんとした占い師」だった。当人しか知りえない事実をズバズバ言い当てることはないが、私はそれを求めてはいなかった。希望を求めて行ったら、希望を処方されたのである。占いのメリットは、信じるか信じないかは自由という侵襲性の低さと、ドロップイン利用(当日予約のその場払い)の気楽さである。未来について語る技術。「○○には開運ですよ」なんて私も言ってみたいものだ。「良い占いは、良いカウンセリングである」と言われるのも納得だ。

「話を聴いてほしい」と思ったときに役立つのは、ベテラン実務家の実践力。レビューを見ても、「話しやすかった、気持ちに寄り添ってくれた、元気が出た」なら、相談員としての技量があるってことだろう。あとは、料金の明確さとバックエンド商品のセールスがなければ、安心だ。占いって、時代を超えて残るメンタルケアサービスだな~、と痛感した。


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