映画「ミッドナイトスワン」感想(ネタバレ・暗め評価アリ)

昨日、評判の映画「ミッドナイトスワン」を見に行きました。草彅くん好きだし。なので、本感想もくれぐれも映画や俳優・スタッフの評価を貶める意図はなく、引き続き興行収入をあげてほしいと願っている。

感想1:好評価なのは、まあ、わかる。俳優陣の演技力どれも素晴らしく、設定も繊細に描かれてる。

感想2:だからってつらい。「グリーンマイル」や「ダンサーインザダーク」を映画館で見た時のように、「なんでせっかくの休日娯楽にこれを選んじゃったんだろう…」と暗い気持ちになった。でも良作なので目が離せない。見ながら「早く終わってくれ。これ以上悪いことが起こらないでくれ…」と願う。リアリティ溢れる描き方なので、否定も出来ない。手術シーンなんか、頼むからそんなもん映すなよ!!って思うけど、現実そうなんだろうよ。

感想3:このつらさ、「地獄への道は善意の石で舗装されている」なんだよな。決定的な悪人・悪意は描かれないものの、無邪気な悪意が随所に満ちている。「愛の反対は無関心」とマザーテレサは言ったものの、関心を持たれればその視線に傷つく。似た作品として、ミュージカル「ビリー・エリオット」を想起したが、ビリーエリオットが少年のバレエの才能を、溢れる生命の輝きとして描き、それが周囲を励ます希望の存在になってるのに、本作は、生命が輝くのに必ず犠牲が必要になってる。バレエレッスン代を工面するのに、労働の苦渋をひどい描き方するし、バレエ友達の挫折の上にヒロインの才能開花が描かれる。いやいや、そんな絶望の方にフォーカスあてなくとも。

感想4:で、その絶望を演じるのが大スターの草彅剛なわけで。SMAPは光と闇の対比が強烈な人達だったけども、闇全開。スタッフロールに書かれる「ゼネラルプロデューサー:飯島三智」「制作:CALEN」。起用されちゃった、というより、積極的に仕掛けていったんですかね。

感想5:感想はどうあれ、見なければずっと気になってたんだろうし。自宅でDVDだと途中でくじけちゃっただろうし。一つの体験としてはありだろうけど、翌日まで呪われた気持ちを引きづっています…。




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