見出し画像

自分にとって大切な一着を持つ

先日告知をした京都芸術大学の公開講座「藝術学舎」。秋から始まる期間限定の新講座の中で、僕・山脇も1コマを持たせていただき、「熱狂!日本デニム学」というタイトルで講義を行うことになりました。

なりました。と書きましたが、実は開講確定ではなく、事前申し込みにて定員が集まって初めて実施することができます。正直に申し上げて、これを書いている今現在ではまだ応募が定員に足りておりません。

締切まであと数週間、この講座の内容や目的を知っていただくことで、1人でも多くの方に興味を持っていただけたり、この講座のことを広めていただきたいと思っています。

講座の詳細は下記にまとまっておりますのでぜひご覧ください。
特徴は
・120分×5回のボリューム感
・全てオンライン(zoom)での開催
・インディゴ染めなどの体験を含む
などです👖

これから募集が終わるまで何回かに渡ってこのnoteを記していきたいと思っています、まず初回は講座の目的について。

自分にとって大切な一着を持つ

この講座の到達目標、すなわちゴールは「自分にとって大切な一着を持つ」にしました。これは僕が運営するデニムブランド「ITONAMI」での想いと全く同様です。

あなたは「これは自分にとって大切な一着(あるいはモノ)だ!」と自信を持って言える何かを持っているでしょうか。僕も数多くはありませんが、いくつかの特別で大切なモノを持っています。

そしてそのどれもが、これはとても大事なことですが、個人的な理由でもって大切にしているモノなのです。祖父から譲り受けたモノ、旅行の記念に買ったモノ、あるいは全財産を投じて手に入れたモノ。

パターンはさまざまですが、大切にしている理由自体は、とても個人的で、僕に固有のものであるのです。買った時の思い出だけでなく、ものモノと一緒に過ごしてきた思い出も、それを特別な一点にしてくれています。

だから言い換えると、そのモノは他の誰かにとっては全く価値が無いかもしれない。僕だけにそのモノを大切にする理由があって、他人には何にも関係ない。ただのがらくた。

そう聞くと悲しく思えるかもしれませんが、でもそういった、自分にとってだけ大切に思えるモノを持てることは、とても幸せなんじゃないかと僕は思うのです。ずっとずっと思ってきました。

この世にはたくさんのモノがあって、情報もあって、それらはすごいスピードで行き交っていて。現代では買い手は売り手でもあるから、売却を前提とした購入も当たり前になっている。

新しさはまたすぐ新しい新しさに、流行りはわかりやすく趣味に寄り添った流行を教えてくれ、そして、間違った買い物をしなければ損することはない。

自分が買ったモノは、新しいからすぐ売れる。流行っているからすぐ売れる。誰でも知っている、あるいは誰でも知っている人が手がけている、からすぐ売れる。

自分が買ったモノは、古くなる前に売らないといけない。傷をつけてしまう前に売らないといけない。なるべく買った時の状態を保たないといけない。

そうして、1つのモノを長く愛着持って使い続けることがどんどん困難になってゆく。もちろんただ長く使うことが唯一の正解だとは思いませんが、でも僕は、やっぱり自分だけの宝物を持つことにどうしようもない浪漫を感じてしまうのです。

自分なりの理由でもってモノを大切にしている人を見ると素敵だなあと思うし、僕もそうありたいと思うのです。

じゃあ一体、どうしたらそのようなモノを持つことができるのか。1人の人と1つのモノの関係を太く強くできるのか。2015年にデニムブランドを立ち上げてからずっと考え続けているテーマなのですが、未だに分かりやすい答えを僕は見つけられていません。

ただ、ヒントになりそうなことは、モノが生まれた背景をよく知ることだったり、特別な機会で手にすることだったり、あるいはモノをつくるプロセス自体に関わることだったりする気がしています。それらはこれまでブランドの中で試行錯誤と実践を行ってきています。

前置きがとてもとても長くなりましたが、京都芸術大学の公開講座「熱狂!日本デニム学」では、講座のゴールを「自分にとって大切な一着を持つ」とし、僕がブランドを立ち上げてからこれまでの8年間で実践したことをシェアします。

大学生の時に、日本のデニム産業と出会い、熱狂してきた自分がこれまで取り組んできたことは、きっと、何かの形であなたに確かな熱を届け、モノを大切にすることに貢献できると信じています。

最後に、僕がいつも思い立ち止まった時に読むようにしている一節を掲げたいと思います。5年以上前、エルメスの展示で出会った大好きな文章です。

次回以降は具体的に講座の内容に触れていきたいと思います、それではまた!