見出し画像

上京しました

2021年5月13日、26年間住んだ大阪を離れ上京しました。目的は、会社を、そして経営者としての自分自身を成長させるためです。上手くいくかは最後まで誰にも分かりませんが、血眼で粛々と向き合う予定です。

こういった転機もなかなか無いので、自分が何故スタートアップ経営に/現在の事業に取り組んでいるのか、そして今後何をしていきたいのか、などを綴りたいと思います。いつか少し行き詰まった時には、栄養ドリンク代わりにこの初心を振り返りたいと思います。

なぜスタートアップ経営に取り組むのか

スタートアップに魅了されたきっかけは、2015年、自分が二十歳の時に参加したシリコンバレー研修まで遡ります。バイオテクノロジーを大学で専攻していた当時、アカデミアかインダストリーか、研究者か経営者か、と自分の生き方に迷っていました。そんな時に、偶々ネットで見つけたのが、現地のバイオ研究者の方々が主催しているシリコンバレー研修でした。簡素なHPで正直かなり怪しかったですが、「これだ!」と直感で感じたのを覚えています。幹部だったサークルの引退合宿が被っており、恐ろしい制止を受けましたが、研修への参加に軍配を上げました。

現地では、StanfordやGladstone Institute(UCSF)のアカデミア研究者、Genentechなど巨大バイオベンチャーの研究者、そしてバイオスタートアップの経営者/研究者など、様々な分野の方とお話させて頂きました。
当時の正直な感想として、閑散としたシリコンバレーと呼ばれる『土地』一帯にはあまり圧倒されませんでした。ただ、そこにいる『人』は、大きな使命感やビジョンを持っており、莫大なエネルギーを感じました。そして自分自身も、世の中をより良くする/次の産業を生み出す、そういった仕事をしたいと心の底から思うようになりました。自分が今スタートアップを立ち上げている根底にも、ずっとこの想いがあります。

なぜこの事業に取り組むか

まだあまり情報は出していませんが、弊社では現在『Bizibl』というオンライン・イベントの開催ツールを提供しています。フルスクラッチで製品を開発しており、オンラインに最適化されたイベント開催を実現出来るのが特徴です。このBiziblが、数回のピボット(事業転換)の末に行き着いた、"自分"がやり切りたいと感じたサービスです。

開発のきっかけは、実は新型コロナが流行する直前の2020年1月になります。以前提供していたサービスが行き詰まり、ヒアリングのために合同企業説明会に潜入しました。その時に、「なんで未だにこんなアナログなことやってるんや?」と違和感を感じたのが、この事業に取り組むきかっけでした。そして、自分の就活を思い出してみても、幾度とない大阪⇔東京間の往復で消耗していたことに、段々と腹立たしくなってきました。5Gといった技術転換期でもあったので、ビデオコミュニケーションを活用して課題解決できるのでは、と考え1月末にピボットを最終決定しました。

ただ、新型コロナの影響で、上記した会社説明会などは全てオンラインに移行しました。場所の制約はなくなり、上に挙げた違和感や負は一見解消されました。しかし、現実は主催者/参加者ともに満足度やコミュニケーションの質は低く、「やっぱり対面よね」という声が大半です。

従って、本当の意味でコミュニケーションを場所の制約から解放することで、『ヒト・モノ・機会の流動性を高めて、産業発展を加速させたい』、そして自分にとってのシリコンバレー研修のように『いち人間の人生を変えるような出来事が、太平洋を渡らなくとも起こる世の中にしたい』と思っております。そしてそれが、事業に取り組む大きな意義になっています。

つまり我々は今、より一層深い課題に向き合うことで、付け焼き刃のオンライン化ではなく、『次の当たり前』を作ることに取り組んでいます。

なぜ上京したのか

最も大きな背景として、採用活動を通じてチームを強化していきたい、という考えがあります。世の中を変える仕事をするためには、「チーム」が大切です。メディアや人伝てにはよく聞く話ではありますが、ここ数ヶ月その重要性を自分自身でも感じる機会が増えてきました。現在のメンバーは全員、多面的に考え、粘り強く行動し、そして建設的に議論できることもあり、間違いなく優秀です。一方で、自分も含め若いが故の経験不足と、人数面での馬力不足が否めません。この"2つの不足"を解消し、盤石なチームを作っていきたいと考えております。

ただ、その為にもまず、自分自身の目線を上げる必要があると考えています。「大阪でやっていけるだろう」と高を括っていましたが、正直東京の同世代の起業家を見てると、やはり水準が高いです。前向きで楽観な性格は良い側面もありますが、今回に関しては冷静に自分を俯瞰すると、ただの『井の中の蛙』でした。

幸いにも東京のVCから資金調達を受けられたことで、スタートアップ・コミュニティが近い存在になりました。仲の良い起業家友達も増え、心強い株主の皆さんもいます。その方々とより密接に関わることができる環境、そしてトッププレイヤーがいる環境に身を置き、自分の視座と行動を変えたいと思いました。チーム強化のためには、その一人目でありトップの"自分"を強くしないといけないと感じた次第です。

この先何をしていきたいか

自分は当初から、インターネットで何かするのであれば、世界中で使ってもらえるようなサービスを作りたいと考えていました。Biziblを価値のあるサービスへと粛々と磨き込み、数年後に世界(個人的にはASEAN)のどこかで利用されている状態を目指します。

長期的な話になると、冒頭に書いたように、世の中をより良くする/次の産業を生み出すための色々な仕事を、この人生でしたいのが本音です。自分のバックボーンを作ってくれたバイオ領域や、スタートアップのエコシステム全体に関わるような仕事もいつかはしたいと考えています。

ただ卒業の時、尊敬している研究室の先生方からは、『花谷はやりたいことがありすぎるから、積極性は大切にしつつ、ひとつのことをやり抜く忍耐力を意識するように』と釘を刺してもらいました。その通りです。ひとつのことをやり切らないと、目線はいつまで経っても変わらないし、次にすること/できることの規模は小さくなります。歴史が物語っています(たぶん)。

なのでこの東京で、Biziblというサービスに血眼で取り組み、そしてやり抜き、少しでも世の中が変わる様子をこの目で見たいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?