セブンイレブンのパンコーナー、「手前どりにご協力」に思う事

セブンイレブンにあんパンを買いに行ったら「直ぐに食べるなら手前どりにご協力お願いします」といった事が書かれたプレートが軽く圧を感じるくらいに並べられていた。

実際、それは圧を感じさせる狙いでやっているのは間違いないだろう。

消費者がなるべく新鮮なものを食べたいと日付の新しいものを取るから古いものが廃棄されてしまう、という事に対する意識改革を行おうとしているのだ。

なるほど、あそこまで圧をかけられてしまっては私も仕方なく日付の新しいパンを売り場に戻して古いパンを手に取ってしまう。

そして「新しくて美味しいパンが食べたかったな」と思いながら帰路に着き、
同じ思いを抱いたままパンを食べる。

良いことをしたという気持ちより、ただただ残念な気持ちしか残らない。

私はパンが好きだし、経験からパンの鮮度と美味しさの非常に揺るぎ難い相関性を知っている。多くの消費者もそれを知っているから新しいパンを求めるのだ。

プレートの「直ぐに食べるなら手前どり」を見て「いやいや、直ぐに食べるから新しいものだろう!」と思う。もしこの新鮮なパンを明日食べるなら、もう品質は落ちてしまう。それならば何も新しいものを買う必要はない。この出来立てのパンをすぐに食べるから1番美味しいのだ。

そのような強い思いがあれど、あのプレートの圧力に自分は新しいパンを選ぶ事は出来なかった。仮に「選ぶ自由がある!」と新しいパンを選んだところで、パンは美味しくても罪悪感のようなモヤモヤを抱えて食べる事になる。そんなのもゴメンだ。

結局自分の出す答えは

「セブンイレブンでパンを買わない」

ここに行き着いてしまうのだ。

セブンイレブンのパンは美味しいと思う。
しかし、パンの本当の賞味期限というのは表記よりも遥かに短い。
開発者も1番美味しい鮮度の良いパンを食べて欲しいだろうな、その味で評価してほしいだろうな、と思う。しかし、消費者は喜んで新しいパンを手に取る事は出来なくなってしまった。なるべく古いものを取る事がマナーだから。

セブンイレブンは消費者に古いものを取ることを強要する(お願いする)のではなく、考えてほしい。常に美味しいパンを喜んで手に取ってもらう事を。そのためにするべき事を。

答えは簡単で、仕入れ過ぎない事。有名なとある芋羊羹を買った時「賞味期限は明日までです」と言われた。賞味期限が短いから仕入れ過ぎない。確実に新鮮さと美味しさが保証されているから仕入れ日に直ぐに売り切れる。

もしこれが「古いものから取ってください」なんて言われたら二度と行かないだろう。

新鮮で美味しいパンには価値がある。

セブンイレブンもその事に目を向けてくれたらと思う。
もっと少数仕入れで多少値段が高くても新鮮で美味しいパンならば買う人がいる。
むしろそういうものを買うように流れを作っていってほしいものだ。

「古いものから取ってください」

ではなくて。



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