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見づらいけど見たい

雑誌を読んでいるとき、ついつい読みづらいような長文や、隅っこの小さ文字を読んでしまう。そんな経験はありませんか?

良い体験を与える方法として、あえて高いハードルを課す手法は様々なものがありますが、その中でもあえて文字を読みづらくすることはリスキーに見えるかもしれません。

凸っかかり

しかし、日頃読みやすい文字に触れている現代の社会人にとって、読みづらい文字は、日常の違和感「凸っかかり」となります。

広告表現にとって、この「凸っかかり」は重要な鍵になります。世の中の広告はすべからく、この凸っかかりを備えていて、人の視線の中に溶け込みつつ、興味を持った人のこころに凸っかかりという違和感を残しているのです。

読みづらい文字は、その凸かかりを鍵に、知的欲求をエネルギーに変換して、ひとに体験とコンテンツを伝えています。それを読み解いたあとの満足感もその与えたい体験の一つとして提供されます。その文章コンテンツのクオリティに限らず、ある種の読後感的なものを与えられるのではないのでしょうか?

文字のレイアウトには、レイヤーという概念があるとすると、みにくい文字は、とても深い階層にあるものであると思います。適切に動線が設計されていれば、そこへの誘導は意外に簡単にいくと思います。そして、見づらい文字をコンテンツの一つとして取り入れて、凸かかりを読者の心に残してみたいなと思いました。