読書メモ:未来への大分岐

「世界はなぜ存在しないのか」のマルクス・ガブリエルはじめ左派の哲学者3名が語るポスト資本主義の社会。


なるほどなと思うところや、結局よくわからないところもあるが、とても面白く読めた。
マルクス・ガブリエルの言う、一人ひとりは異なる価値観を持っていて結局わかりあえない、普遍的な正義や倫理などないとする相対主義が、他者を「どうせ分かりあえない相手」と線引して、相手を非人間化していくことが、差別や排除、分断を生んでいくというシナリオは納得感がある。ただ、「倫理の普遍性」を持ち出して、人々は情報さえ十分に与えられれば熟議を通して正しい選択を取ることができるという主張は楽観的で実効性がないのではと思う。

社会の生産性が向上し、限界費用ゼロ社会の到来も視野に入る今、強制的な労働あるいは勤労は善という価値観を手放していくみんながPlayerとなる社会へのシフトも絵空事ではない。
一方で「アントレプレナーシップ」もともすれば、資本に押し付けられる「自律性もどき」になりうるというマイケル・ハートの指摘には考えさせられた。

面白かった!が、まだまだ消化不良。。しばらく寝かせてまた読んでみます。

どなたか読んだ方、意見交換しましょう。

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