2022年 大分大学 前期 経済・教育 大問6

$${a,b}$$を$${0}$$でない定数とし, $${f(x)=(x+a)(x-3a), g(x)=b(x-3a)}$$とする.
3次関数$${F(x)}$$は$${F(0)=0}$$と$${F^{\prime}(x)=f(x)}$$を満たし, 2次関数$${G(x)}$$は$${G^{\prime}(x)=g(x)}$$を満たす.
ただし, 放物線$${y=G(x)}$$の頂点$${(x_0,y_0)}$$に対して, 関数$${F(x)}$$は$${x=x_0}$$で極値$${y_0}$$をとるものとする.
(1) 関数$${F(x)}$$を求めなさい.
(2) 関数$${G(x}$$を求めなさい.
(3) 2つの曲線$${y=F(x)}$$と$${y=G(x)}$$の共有点が1個となるとき, $${b}$$を$${a}$$を用いて表しなさい.

解答
(1)
$${F^{\prime}(x)=f(x)}$$より, $${F(x)}$$は$${f(x)}$$の原始関数であるから
$${F(x)=\int{f(x)}dx=\int(x^2-2ax-3a^2)dx}$$
$${\therefore F(x)=\frac{1}{3}x^3-ax^2-3a^2x+C_f}$$ (ただし, $${C_f}$$は積分定数)
これに対し, $${F(0)=0}$$より, $${C_f=0}$$
よって, $${F(x)=\dfrac{1}{3}x^3-ax^2-3a^2x}$$である.

(2)
(1)と同様に考えて,
$${G(x)=\int(bx-3ab)dx=\frac{1}{2}bx^2-3abx+C_g}$$ (ただし, $${C_g}$$)は積分定数
となる.
$${\frac{1}{2}bx^2-3abx+C_g=\frac{1}{2}(x-3a)^2-\frac{9}{2}a^2b+C_g}$$であるから,
$${G(x)}$$の頂点は$${(x_0,y_0)=(3a,-\frac{9}{2}a^2b+C_g)}$$である.
これが$${F(x)}$$の極値であるが, $${F^{\prime}(x)=f(x)=(x+a)(x-3a)}$$より
$${F(x)}$$が極値をとるのは$${x=-a,3a}$$であるから,
$${F(3a)=-\frac{9}{2}a^2b+C_g}$$となる.
(1)より$${F(3a)=9a^3-9a^3-9a^3=-9a^3}$$だから
$${-9a^3=-\frac{9}{2}a^2b+C_g}$$
$${\therefore C_g=\frac{9}{2}a^2b-9a^3}$$
よって, $${G(x)=\dfrac{1}{2}bx^2-3abx+\dfrac{9}{2}a^2b-9a^3}$$

(3)
$${F(x)}$$と$${G(x)}$$の共有点について,
$${\frac{1}{3}x^3-ax^2-3a^2x=\frac{1}{2}bx^2-3abx+\frac{9}{2}a^2b-9a^3}$$
$${\Leftrightarrow 2x^3-6ax^2-18a^2x=3bx^2-18abx+27a^2b-54a^3}$$
$${\Leftrightarrow 2x^3-(6a+3b)x^2-18a(a-b)x+27a^2(2a-b)=0}$$
ここで, $${F(x)}$$と$${G(x)}$$が$${x=3a}$$で接していることを用いると
左辺$${=(x-3a)(2x^2-3bx-18a^2+9ab=(x-3a)^2(2x+6a-3b)}$$
と因数分解できるから, $${F(x)}$$と$${G(x)}$$の共有点の$${x}$$座標は,
$${(x-3a)^2(2x+6a-3b)=0}$$の実数解である.
これが, 1つの実数解となるのは, $${2x+6a-3b}$$の解が$${x=3a}$$となるときであるから,
$${6a+6a-3b=0}$$より, $${3b=12a}$$, すなわち$${b=4a}$$のときである.

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