2022年 鹿児島大学 前期 理(化/生)他 大問1

次の各問いに答えよ.
(1) $${AB=5,BC=9,CA=6}$$である三角形$${ABC}$$を考える. 頂点$${A}$$から辺$${BC}$$に下ろした垂線$${AH}$$の長さを求めよ.
(2) $${ab=4a-b}$$を満たす正の整数$${a,b}$$の組を全て求めよ.
(3) 正$${2n}$$角形$${A_1A_2\dotsA_{2n-1}A_{2n}}$$の異なる3つの頂点を結んで三角形を作る. このような三角形の作り方は何通りあるか. なお, 頂点が異なれば異なる三角形であるとする.
またこのような三角形を任意に選ぶとき, それが直角三角形となる確率$${p}$$を求めよ. ただし, $${n\ge{2}}$$とする.

解答
(1)
$${BH=x}$$とおくと,
$${\triangle{ABH}}$$について, $${25=x^2+AH^2}$$
$${\triangle{ACH}}$$について, $${36=(9-x)^2+AH^2}$$
が成り立つ. よって, 2式より
$${11=(9-x)^2-x^2=9(9-2x)}$$が得られるから, $${x=\frac{70}{18}}$$である.
ゆえに, $${AH^2=25-(\frac{70}{18})^2=(5+\frac{70}{18})(5-\frac{70}{18})=\frac{160\times{20}}{18^2}}$$である.
したがって, $${AH\gt{0}}$$に注意して,
$${AH=\sqrt{\frac{20\times{8}\times{20}}{18^2}}=\frac{40\sqrt{2}}{18}=\dfrac{20\sqrt{2}}{9}}$$である.

(2)
与式を変形して$${(a+1)(b-4)=-4}$$を得る.
いま$${a,b}$$は正の整数なので$${a+1}$$は正の整数, よって$${b-4}$$は負の整数である.
ゆえに$${(a+1,b-4)}$$の組み合わせは
$${(a+1,b-4)=(1,-4),(2,-2),(4,-1)}$$に限られるから,
$${(a,b)=(0,0),(1,2),(3,3)}$$となる.
このうち$${(a,b)=(0,0)}$$は$${a,b}$$が正の整数でないから不適
したがって求める組は, $${(a,b)=(1,2),(3,3)}$$である.

(3)
三角形は$${2n}$$個の頂点から$${3}$$を選べばよいから,
$${{}_{2n}C_3=\frac{2n(2n-1)(2n-2)}{3•2•1}=\dfrac{2n(2n-1)(n-1)}{3}}$$通りである.
このうち直角三角形をなすような選び方について考えると,
1組が外接円の直径をなす2点であり, もう1点をその2点以外から選べばよい.
直径をなす2点の選び方は$${n}$$通りであり, このそれぞれに対して残り1点の選び方が$${2n-2}$$通り存在するから,
直角三角形となる選び方は$${n(2n-2)=2n(n-1)}$$通りである.
よって, 求める確率は$${n\ge{2}}$$より$${n,n-1}$$がともに$${0}$$でないことに注意して
$${p=\frac{2n(n-1)}{\frac{2n(2n-1)(n-1)}{3}}=\dfrac{3}{2n-1}}$$である.

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