2022年 山口大学 前期 共同獣医学 大問8

関数$${f(x)=x^3+3x^2}$$について, 次の問いに答えなさい.
(1) $${f(x)}$$の増減を調べ, $${y=f(x)}$$のグラフの概形を書きなさい.
(2) 点$${(p,q)}$$から曲線$${y=f(x)}$$に異なる接線が$${3}$$本引けるとき, $${p}$$と$${q}$$についての条件を求め, その条件を満たす点$${(p,q)}$$全体の領域を$${pq}$$平面に図示しなさい.

解答
(1)
$${f^{\prime}(x)=3x^2+6x=3x(x+2)}$$より,
$${f^{\prime}(x)=0 \Leftrightarrow x=0,-2}$$だから, 増減表は下記となる.

$$
\begin{array}{c:c:c:c:c:c}
x & & -2 & & 0 & \\
f^{\prime}(x) & + & 0 & - & 0 &+ \\
f(x) & \nearrow & 4 & \searrow & 0 & \nearrow \\
\end{array}
$$

また, グラフの概形は下記となる.

(2)
$${f(x)}$$上の点$${(s,s^3+3s^2)}$$における接線の式は
$${y=(3s^2+6s)(x-s)+s^3+3s^2=(3s^2+6s)x-2s^3-3s^2}$$と表せる.
これが点$${(p,q)}$$を通るから
$${q=(3s^2+6s)p-2s^3-3s^2}$$がいえる.
これを$${s}$$についての3次方程式$${2s^3+3(1-p)s^2-6ps+q=0}$$として, 3つの異なる実数解を持つ$${p,q}$$について考えればよい.
これは$${g(s)=2s^3+3(1-p)s^2-6ps}$$と$${h(s)=-q}$$の交点を考えることである.
$${h(s)=-q}$$は$${s}$$軸に並行な直線であり,  
$${g(s)=2s^3+3(1-p)s^2-6ps}$$について考えると
$${g^{\prime}(s)=6s^2+6(1-p)s-6p=6(s+1)(s-p)}$$である.
ここで$${p=-1}$$のとき, $${g^{\prime}(s)\ge{0}}$$となり, $${g(s)}$$は単調増加であるから, $${s}$$軸と並行な直線と3点で交わることはない.

・$${p\lt{-1}}$$のとき
このとき$${g(s)}$$は,
$${s=p}$$で極大値$${g(p)=-p^3-3p^2}$$, $${s=-1}$$で極小値$${g(-1)=3p+1}$$をとるから,
$${s}$$軸と並行な直線$${h(s)=-p}$$と3点で交わるのは
$${3p+1\lt{-q}\lt{-p^3-3p^2}}$$, すなわち$${p^3+3p^2\lt{q}\lt{-3p-1}}$$のときである.
ここで$${q=p^3+3p^2}$$のグラフの概形は(1)で求めたもとの同等なので,
$${q=-3p-1}$$について考えると,
これは$${(p,q)=(-1,2)}$$における接線をなすから,
条件を満たす$${(p,q)}$$は下図となる. ただし境界は含まない.

・$${p\gt{-1}}$$のとき
このとき$${g(s)}$$は,
$${s=-1}$$で極大値$${g(-1)=3p+1}$$, $${s=p}$$で極小値$${g(p)=-p^3-3p^2}$$をとるから,
$${s}$$軸と並行な直線$${h(s)=-p}$$と3点で交わるのは
$${-3p^2-3p^2\lt{-q}\lt{3p+1}}$$, すなわち$${-3p-1\lt{q}\lt{p^3+3p^2}}$$のときである.
$${p\gt{-1}}$$のときと同様に考えて, 条件を満たす$${(p,q)}$$は下図となる. ただし境界は含まない.

以上より,求める条件は
$${p\not=-1}$$で
$${p\lt{-1}}$$のとき$${p^3+3p^2\lt{q}\lt{-3p-1}}$$,
$${p\gt{-1}}$$のとき$${-3p-1\lt{q}\lt{p^3+3p^2}}$$
であり, 図示すると下記となる. ただし, 境界は含まない.

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