2022年 岐阜大学 前期 看護 大問2

ある製品が工場Aと工場Bで生産されている. 工場Aで生産された製品が不良品である確率を$${\dfrac{1}{20}}$$, 工場Bで生産された製品が不良品である確率を$${\dfrac{1}{10}}$$とする. 以下の問いに答えよ.
(1) 工場Aと工場Bで生産された多数の製品がある. その中から1つ取り出すとき, その製品が工場Aで生産されたものである確率を$${\dfrac{3}{5}}$$, 工場Bで生産されたものである確率を$${\dfrac{2}{5}}$$とする. 取り出された製品が不良品である確率を求めよ.
(2) 製品が不良品か否かを判定する検査装置の導入を考える. この検査装置は検査対象が不良品立ったとき, $${\dfrac{9}{10}}$$の確率で不良品であることを正しく判定する. 一方, 不良品でない製品を検査した時にも$${\dfrac{1}{10}}$$の確率で不良品であると誤って判定する. 工場Aで生産された製品を1つ取り出して検査装置で検査したとき, それが不良品と判定される確率を求めよ.
(3) 工場Aで生産された製品を1つ取り出して(2)の検査装置で検査したところ, 不良品と判定された. その製品が実際に不良品である確率を求めよ.
(4) 工場Aで生産された製品を出荷前に(2)の検査装置で検査し, 不良品と判定されたものを取り除いてから出荷する. このとき, 工場Aから出荷された検査済みの製品が実際に不良品である確率を求めよ.

解答
(1)
取り出した製品が工場Aで生産されたもので, かつ, 不良品である確率は
$${\frac{3}{5}\times{\frac{1}{20}}=\frac{3}{100}}$$
取り出した製品が工場Bで生産されたもので, かつ, 不良品である確率は
$${\frac{2}{5}\times{\frac{1}{10}}=\frac{2}{50}}$$
よって, 求める確率は
$${\frac{3}{100}+\frac{2}{50}=\dfrac{7}{100}}$$である.

(2)
検査装置により不良品と判定されるのは, 以下の2ケースである
 ①製品が不良品で, 正しく不良品と判定される
 ②製品が不良品でなく, 誤って不良品と判定される
①について, 工場Aで生産された製品が不良品である確率は$${\frac{1}{20}}$$なので,
このケースで不良品と判定される確率は$${\frac{1}{20}\times{\frac{9}{10}}=\frac{9}{200}}$$
②について, 工場Aで生産された製品が不良品でない確率は$${1-\frac{1}{20}=\frac{19}{20}}$$なので,
このケースで不良品と判定される確率は$${\frac{19}{20}\times{\frac{1}{10}}=\frac{19}{200}}$$
よって, 求める確率は
$${\frac{9}{200}+\frac{19}{200}=\frac{28}{200}=\dfrac{7}{50}}$$である.

(3)
(2)より, 不良品と判定される確率は$${\frac{7}{50}}$$であり,
不良品であり, かつ, 正しく不良品と判定される確率は$${\frac{9}{200}}$$だから,
求める確率は
$${\dfrac{\frac{9}{200}}{\frac{7}{50}}=\dfrac{9}{28}}$$である.

(4)
(2)より, 不良品でないと判定されて出荷される確率は$${1-\frac{7}{50}=\frac{43}{50}}$$
不良品であり, かつ,誤って不良品でないと判定される確率は$${\frac{1}{20}\times{\frac{1}{10}}=\frac{1}{200}}$$
よって, 求める確率は
$${\dfrac{\frac{1}{200}}{\frac{43}{50}}=\dfrac{1}{172}}$$である.

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