2022年 名古屋市立大学 前期 経済 大問3
群に分けられた数列$${\{a_n\}}$$
$${1,1 \Big| \dfrac{1}{2}, \dfrac{1}{2}, \dfrac{1}{2}, \dfrac{1}{2} \Big| \dfrac{1}{4}, \dfrac{1}{4}, \dfrac{1}{4}, \dfrac{1}{4}, \dfrac{1}{4}, \dfrac{1}{4} \Big| \dfrac{1}{8}, \dfrac{1}{8}, \dfrac{1}{8}, \dfrac{1}{8}, \dfrac{1}{8}, \dfrac{1}{8} \Big| \dfrac{1}{16}, \dots}$$に対し, 次の問いに答えよ. ただし, 第$${k}$$群については各項は$${2^{-k+1}}$$であり項数は$${k+2^{k-1}}$$である.
(1) $${a_{500}}$$を求めよ.
(2) 第$${k}$$群の総和を$${S_k}$$とする. $${S_k}$$を$${k}$$で表し, $${\displaystyle \sum_{i=1}^{k}S_i}$$を求めよ.
(3) $${a_1}$$から$${a_{2022}}$$までの和を求めよ.
解答
(1)
第$${k}$$群までの項数の和は
$${\sum_{i=1}^{k}(k+2^{k-1})=\frac{1}{2}k(k+1)+2^k-1}$$だから
$${500\le{\frac{1}{2}k(k+1)+2^k-1}}$$を考える.
$${k=9}$$のとき$${\frac{1}{2}k(k+1)+2^k-1=45+512-1=556\ge{500}}$$,
$${k=8}$$のとき$${\frac{1}{2}k(k+1)+2^k-1=36+256-1=291\lt{500}}$$,
より, $${a_{500}}$$は第9群に属することがわかる.
第9群の項は$${2^{-9+1}=\frac{1}{2^8}=\frac{1}{256}}$$だから,
$${a_{500}=\dfrac{1}{256}}$$である.
(2)
$${S_k=2^{-k+1}(k+2^{k-1})}$$
$${=\frac{2k}{2^k}+1}$$
$${=\dfrac{k}{2^{k-1}}+1}$$
$${\sum_{i=1}^{k}S_i=\sum_{i=1}^{k}(\frac{i}{2^{i-1}}+1)}$$
ここで,$${\sum_{i=1}^{k}\frac{i}{2^{i-1}}=S}$$とおくと,
$${S=\frac{1}{2^0}+\frac{2}{2^1}+\frac{3}{2^2}+\dots+\frac{1}{2^{k-1}}}$$
$${\frac{1}{2}S=\frac{1}{2^1}+\frac{2}{2^2}+\frac{3}{2^3}+\dots+\frac{k-1}{2^{k-1}}+\frac{k}{2^k}}$$
より,
$${\frac{1}{2}S=\frac{1}{2^0}+\frac{1}{2^1}+\frac{1}{2^2}+\dots+\frac{1}{2^{k-1}}-\frac{k}{2^k}}$$
$${=2-\frac{1}{2^{k-1}}-\frac{k}{2^k}}$$
$${=2-\frac{2+k}{2^k}}$$
となるから, $${S=4-\frac{2+k}{2^{k-1}}}$$がいえる.
よって求める和は,
$${\sum_{i=1}^{k}S_i=4-\frac{2+k}{2^{k-1}}+k}$$
$${=k+4-\dfrac{k+2}{2^{k-1}}}$$である.
(3)
(1)と同様に考えると,
$${k=11}$$のとき$${\frac{1}{2}k(k+1)+2^k-1=66+2048-1=2113\ge{2022}}$$,
$${k=10}$$のとき$${\frac{1}{2}k(k+1)+2^k-1=55+1024-1=1078\lt{2022}}$$
だから, $${a_{2022}}$$は第11群の944項目であることがわかる.
第11群に属する項は$${2^{-11+1}=\frac{1}{1024}}$$であり,
第10群までの和は(3)より$${14-\frac{12}{512}}$$だから,
求める和は$${14-\frac{12}{512}+\frac{944}{1024}}$$
$${=14+\frac{920}{1024}}$$
$${=14+\frac{115}{128}}$$
$${=\dfrac{1907}{128}}$$である.
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