2022年 名古屋市立大学 前期 経済 大問4

原点を$${O}$$とする$${xy}$$平面上に曲線$${C:y=-2x^2+x+1}$$と2点$${A(0,1),B(1,0)}$$がある.
$${0\lt{p}\lt{q}\lt{1}}$$とし, $${x}$$座標が$${p,q}$$である$${C}$$上の2点をそれぞれ$${P,Q}$$とする. 次の問いに答えよ.
(1) 五角形$${OAPQB}$$の面積を$${p,q}$$で表せ
(2) 五角形$${OAPQB}$$の面積を最大にする$${p,q}$$の値を求めよ.

解答
(1)
$${-2x^2+x+1=-(2x+1)(x-1)}$$だから, $${C}$$は区間$${-\frac{1}{2}\lt{x}\lt{1}}$$においてつねに$${0}$$以上である.
よって, 点$${P,Q}$$の$${y}$$座標, すなわち$${-2p^2+p+1, -2q^2+q+1}$$はともに正である.
これを実数$${\alpha,\beta}$$を用いて, $${-2p^2+p+1=\alpha, -2q^2+q+1=\beta}$$とおく.
また, $${x=0}$$のとき$${y=1}$$, $${x=1}$$のとき$${y=0}$$であるから, 点$${A,B}$$はともに曲線$${C}$$上の点である.
これらの事実から, 考える五角形は点$${P,Q}$$から$${x}$$軸におろした垂線により,
2つの台形と1つの三角形に分割して考えることができる.
つまり, 求める面積を$${S}$$とおくと
$${S=\frac{1}{2}(1+\alpha)p+\frac{1}{2}(\alpha+\beta)(q-p)+\frac{1}{2}\beta(1-q)}$$
$${=\frac{1}{2}(p+p\alpha+q\alpha+q\beta-p\alpha-p\beta+\beta-q\beta)}$$
$${=\frac{1}{2}(p+q\alpha-p\beta+\beta)}$$
となる.
ここで,
$${q\alpha=-2p^2q+pq+q, -p\beta=2pq^2-pq-p}$$だから,
$${S=\frac{1}{2}(p-2p^2q+pq+q+2pq^2-pq-p-2q^2+q+1)}$$
$${=\frac{1}{2}(2pq^2-2p^2q+2q-2q^2+1)}$$
だから, 求める面積は
$${pq^2-p^2q+q-q^2+\dfrac{1}{2}}$$である.

(2)
$${q}$$を$${0\lt{q}\lt{1}}$$なる定数と考えて,
$${pq^2-p^2q+q-q^2+\frac{1}{2}}$$の最大値を考える.
$${f(p)=pq^2-p^2q+q-q^2+\dfrac{1}{2}}$$とおくと,
$${f(p)=-q(p^2-qp)-q^2+q+\frac{1}{2}}$$
$${=-q(p-\frac{1}{2}q)^2+\frac{1}{4}q^3-q^2+q+\frac{1}{2}}$$
となるから, $${p=\frac{1}{2}q}$$のとき, 最大値$${\frac{1}{4}q^3-q^2+q+\frac{1}{2}}$$をとることがわかる.
いま$${0\lt{q}\lt{1}}$$だから, $${p=\frac{1}{2}q}$$は$${0\lt{p}\lt{q}}$$を満たしている.
つぎに, $${\frac{1}{4}q^3-q^2+q+\frac{1}{2}}$$の最大値について考える.
$${g(q)=\frac{1}{4}q^3-q^2+q+\frac{1}{2}}$$とおくと,
$${g^{\prime}(q)=\frac{3}{4}q^2-2q+1=\frac{1}{4}(3q-2)(q-2)}$$だから,
$${q=\frac{2}{3}}$$で極大値, $${q=2}$$で極小値をとることがわかる.
いま$${q}$$の範囲は$${0\lt{q}\lt{1}}$$なので, この範囲において最大値をとるのは$${q=\frac{2}{3}}$$のときである.
このとき, $${p=\frac{1}{2}q}$$より, $${p=\frac{1}{3}}$$である.
以上より, 五角形の面積が最大となる$${p,q}$$の値は
$${(p,q)=\Big(\dfrac{1}{3},\dfrac{2}{3}\Big)}$$である.

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