2022年 小樽商科大学 前期 商 共通 大問1

(1) 関数$${y=(\log_3 x)^2-\log_3(x^2)+a \space (\frac{1}{3} \le x \le 9)}$$の値域が$${b \le y \le 5}$$であるとき、定数$${a,b}$$の値を求めよ
(2) $${f(x)=x^2+x \int_0^{1} tf^{\prime} (t)dt -1}$$を満たす関数$${f(x)}$$を求めよ
(3) 数直線上を動く点Pが原点をの位置にある。1個のさいころを投げ、出た目に応じて次の規則でPを動かす
 ・出た目が1または2のとき、Pを負の向きに1だけ進める
 ・出た目が3のとき、Pを正の向きに1だけ進める
 ・出た目が4以上のとき、Pを正の向きに2だけ進める
さいころを3回投げ終わったとき、Pの座標が1以下である確率を求めよ

解答
(1)
$${y=(\log_3x)^2-\log_3(x^2)+a=(\log_3x)^2-2\log_3x+a}$$
ここで$${\log_3x=t}$$とおくと、$${\frac{1}{3} \le x \le 9}$$より$${-1 \le t \le 2}$$で、
与式は$${y=t^2-2t+a}$$と表せるから
$${y=t^2-2t+a \space(-1 \le t \le 2)}$$の値域が$${b \le y \le 5}$$であると考えればよい
$${t^2-2t+a=(t-1)^2-1+a}$$より、
・最大値をとるのは$${t=-1}$$のときで、その値は$${y=3+a}$$
・最小値をとるのは$${t=1}$$のときで、その値は$${y=-1+a}$$
となるから、値域と比較して
$${3+a=5 \space \therefore a=2}$$
$${-1+a=b \space \therefore b=1}$$を得る
よって求める定数$${a,b}$$は$${(a,b)=(2,1)}$$である

(2)
$${\int_0^{1} tf^{\prime}(t)dt}$$は$${x}$$について定数であるから
$${\int_0^{1} tf^{\prime}(t)dt=a}$$とおくと
$${f(x)=x^2-ax-1}$$と表せる
$${f^{\prime}(x)=2x-a}$$だから$${tf^{\prime}(t)=2t^2-at}$$となり、
$${\int_0^{1} tf^{\prime}(t)dt= \int_0^{1}(2t^2-at)dt}$$
$${= \Big[\frac{2}{3}t^3-\frac{1}{2}at^2 \Big]_0^{1}=\frac{2}{3}+\frac{1}{2}a}$$
よって、$${a= \frac{2}{3}+\frac{1}{2}a}$$となり、これを解いて
$${a= \frac{4}{3}}$$を得る
したがって、求める関数$${f(x)}$$は
$${f(x)=x^2+\dfrac{4}{3}x-1}$$である

(3)
起こりうる事象は「$${-1}$$進む」「$${+1}$$進む」「$${+2}$$進む」のいずれかである
ここで、
「$${-1}$$進む」事象を$${A}$$、「$${+1}$$進む」事象を$${B}$$、「$${+2}$$進む」事象を$${C}$$とし、それぞれの起こる確率を$${P(A), P(B),P(C)}$$とする

それぞれが発生する条件より、$${P(A)= \frac{1}{3}, P(B)= \frac{1}{6}, P(C)= \frac{1}{2}}$$である

・事象$${C}$$が2回以上発生した場合、3回の合計が1以下となることはない
・事象$${C}$$が1回発生した場合、3回の合計が1以下になるには、残り2回は事象$${A}$$である必要があり、これが発生する確率は
 $${{}_3C_1 \times P(C) \times P(A)^2=3 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{9}= \frac{1}{6}}$$
・事象$${C}$$が発生しなかった場合、事象$${B}$$が発生した回数でさらに場合分けすると
 ・事象$${B}$$が3回発生した場合、3回の合計が3となるため不適
 ・事象$${B}$$が2回発生した場合、残り1回が事象$${A}$$で3回の合計は1となり、これが発生する確率は
  $${{}_3C_2 \times P(B)^2 \times P(A)=3 \times \frac{1}{36} \times \frac{1}{3}= \frac{1}{36}}$$
 ・事象$${B}$$が1回発生した場合、残り2回が事象$${A}$$で3回の合計は−1となり、これが発生する確率は
  $${{}_3C_1 \times P(B) \times P(A)^2=3 \times \frac{1}{6} \times \frac{1}{9}= \frac{1}{18}}$$
 ・事象が$${B}$$が発生しない場合、3回すべて事象$${A}$$で3回の合計は-3となり、これが発生する確率は
  $${P(A)^3= \frac{1}{27}}$$

3回投げ終わったときPの座標が1以下となるパターンは上記ですべてであり、
これらはすべて排反であるから、求める確率は
$${\frac{1}{6}+\frac{1}{36}+\frac{1}{18}+\frac{1}{27}= \dfrac{31}{108}}$$である

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