2022年 琉球大学 前期 農 大問5

次の問いに答えよ.
(1) $${\tan{\alpha}=5}$$のとき$${\sin{2\alpha}}$$の値を求めよ.
(2) $${n}$$を正の整数とする. $${n}$$を二進数で表すと$${2022}$$桁である. このとき, $${n}$$を十進法で表すと何桁になるか. ただし$${\log_{10}2=0.3010}$$とする.
(3) $${a,b}$$を実数とする. 整式$${f(x)}$$と整式$${g(x)}$$をそれぞれ
 $${f(x)=x^4+ax^2-2x+3,g(x)=x^2+x+b}$$
と定める. $${f(x)}$$が$${g(x)}$$で割り切れるような実数の組$${(a,b)}$$をすべて求めよ.

解答
(1)
$${\tan^2{\alpha}=\frac{1}{\cos^2{\alpha}}-1}$$より, $${\frac{1}{\cos^2{\alpha}}=26}$$
$${\therefore \cos^2{\alpha}=\frac{1}{26}}$$
$${\sin^2{\alpha}+\cos^2{\alpha}=1}$$より, $${\sin^2{\alpha}=\frac{25}{26}}$$
ここで$${\tan{\alpha}=\frac{\sin{\alpha}}{\cos{\alpha}}=5\gt{0}}$$より, $${\sin{\alpha}, \cos{\alpha}}$$の正負が一致するから,
$${(\sin{\alpha}, \cos{\alpha})=(\pm\frac{5}{\sqrt{26}}, \pm\frac{1}{\sqrt{26}})}$$ (複合同順)
よって, $${\sin{2\alpha}=2\sin{\alpha}\cos{\alpha}}$$より
$${\sin{2\alpha}=2(\pm\frac{5}{\sqrt{26}})(\pm\frac{1}{\sqrt{26}})=\dfrac{5}{13}}$$である.

(2)
$${n}$$が二進数で$${2022}$$桁であることから
$${2^{2021}\le{n}\lt{2^{2022}}}$$
各項が正なので辺々に底$${10}$$の対数をとると
$${2021\log_{10}2\le{\log_{10}n}\lt{2022\log_{10}2}}$$
ここで与えられた値$${\log_{10}2=0.3010}$$を用いると
$${608.321\le{\log_{10}n}\lt{608.622}}$$
$${\therefore 608\lt{\log_{10}n}\lt{609}}$$
よって, $${10^{608}\lt{n}\lt{10^{609}}}$$だから
$${n}$$は十進法で$${609}$$桁である.

(3)
$${f(x)=g(x)\lbrace{x^2-x+(a-b+1)}\rbrace-(a-2b+3)x+3-b(a-b+1)}$$だから,
$${f(x)}$$が$${g(x)}$$で割り切れるのは
$${a-2b+3=0}$$かつ$${3-b(a-b+1)=0}$$が成り立つときである.
$${a-2b+3=0}$$より$${a=2b-3}$$
これを$${3-b(a-b+1)=0}$$に代入して,
$${3-b(2b-3-b+1)=0}$$
これを整理して,
$${b^2-2b-3=0}$$
$${\Leftrightarrow (b-3)(b+1)=0}$$
$${\therefore b=3,-1}$$
$${b=3}$$のとき, $${a=3}$$
$${b=-1}$$のとき, $${a=-5}$$
したがって, 求める$${(a,b)}$$の組は,
$${(a,b)=(-5,-1),(3,3)}$$である.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?