見出し画像

豆袋の野鳥印(その19)7月『カイツブリ』

「いつものブレンド」の豆袋に押している野鳥印、2024年の7月は「カイツブリ」です。

カイツブリ

潜水が大得意、ちいさな水上生活者。池や湖、河川の流れがゆるやかな場所にいます。身近で見られる水鳥でいえば、カルガモの全長が約60センチですが、カイツブリはなんと約26センチ。図鑑やネットの写真では、すべてが同じくらいのサイズ感になってしまうので、このカイツブリの「え、小さい!」という驚きは、実際に出会う面白味のひとつかもしれません。

はじめて見たときから、もうずっと惹かれているのが、クチバシの基部にできる淡黄色の斑です。クチバシが黒くなる成鳥夏羽では、特によく目立ちます。この不思議な模様のために、いつでも口角がくいっと上がっているような表情に見えます。ほかにも、単純な丸と点で描けてしまう、何を考えているのかさっぱり分からないような目。ものすごく短い尾羽と、ふわっとまるいシルエット。繁殖期に聞こえてくる、「キュレレレレ~」という特徴的な声。いろいろと、チャーミングです。

ぴょんと出ているのが尾羽です

カイツブリは潜水に特化した身体になっているので、翼が短く、足の位置も後方にあります。そのため、飛ぶのも歩くのも苦手。その分だけ、本当によく潜るので、見つけたと思ったら、水中にすぽっと姿を消して、想像よりも離れた場所から浮かび上がって来るということがよくあります。

カイツブリのあし(弁足)

繁殖期には、水生植物の葉や茎を上手につかって、水上や葦原に浮き巣をつくります。ぷかぷかと浮かぶ家は、なんだか自由気ままな印象もありますが、やはり現実は厳しく、ダメになってしまった巣を見かけたことも少なくありません。それでも、雌雄の共同作業で、何度も何度も補修しながら生きているようです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?