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豆袋の野鳥印(その21)9月『セグロセキレイとハクセキレイ』

「いつものブレンド」の豆袋に押している野鳥印、2024年の9月は「セグロセキレイ」と「ハクセキレイ」です。

セグロセキレイ(上)とハクセキレイ(下)

長めの尾羽を上下に振り、漫画のような足運びですばやく駆け抜け、くるっと華麗に飛び立ち、上空を飛ぶときは波線を描くように(ヒヨドリなどもそうですが、空を飛んでいる魚みたいです)……そんなセキレイの仲間のうち、身近で見られるのは「ハクセキレイ」「セグロセキレイ」「キセキレイ」の3種。

中でも、多様な環境への適応力のため、もっとも身近な存在になっているのがハクセキレイでしょうか。

ハクセキレイ

人通りの多い駅前や公園、コンビニの駐車場やそのへんの道路でも、とにかくいろいろな場所で遭遇します。見た目には、雌雄の違いや、繁殖期と非繁殖期(あるいはそれぞれの移行期)の違いが少々ありますが、全体として白と黒と灰色の鳥です。共通して目立つのは過眼線(くちばしの付け根から目、後頭部へと至る線)と、白いほお。地上で虫を探している姿や、鳴きながら飛ぶ姿をよく見かけます。


一方、多様な環境ではなく、水辺を好んで生活しているのがセグロセキレイとキセキレイ(今回のハンコは、白黒の色味が似ているハクセキレイとセグロセキレイの見分け方に絞ったので、黄色のセキレイであるキセキレイは、またいつか)。

セグロセキレイ

名前のとおり背中が黒いセキレイですが、夏羽のハクセキレイの背中も黒くなるため、そこは紛らわしいところ。セグロセキレイはほおも黒いため、額から目の上にかけての模様が目立ち、白い眉のように見えます。基本は白黒の2色で、雌雄や季節の違いはほとんど見られません。

けっして珍しい野鳥ではないのですが、世界中に広く分布するハクセキレイに対して、セグロセキレイは(世界的には)ごく限られた地域でしか見られないセキレイです(「日本固有種」とする説もあります)。

どんどん生息域を拡大するハクセキレイと、日本の水辺という小さなエリアから出ないセグロセキレイには、それぞれ色味の異なるたくましさがあるように思えて、身近だけれど味わい深い野鳥です。


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